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† 深淵に沈む意志 ページ24

SJ side



 しばらく動かなくなったと思ったら、またゆっくりと瞳に紅い怒りを湛え睨みつける獣。


「“……望み通り、深淵に返したよ”」
「……誰を、だ?」


 にやりと笑う血染めの我が子が何を考えているか分からない。
それでも判る事はただ1つ。あまりいい傾向ではなさそうだってこと。

「“ボクの中のボクだよ”」
「何……?」
「“アレはボクのものだ。返してもらうよ、『父さん』?”」
「欲だけで動くお前に彼女は渡せない。それに今は私の右腕が守ってくれている。簡単にはお前のものにはならないよ」

 ギリッと苦虫を噛み潰したような顔をした本能の獣。僕等への本気の嫌悪を感じる。

 中身が本能とはいえ、ここまで我が子に露骨に怒りを顕わにされると流石の僕もへこむなぁ。



 その時、獣の瞳が燃え始める。

彼の怒りが急に高まるのを察知した。


「“何で……みんなしてボクを”」


 怒りに身を震わせていた獣が叫ぶ。


「“なんでボクを拒絶する?!”」
「えっ?」


 瞬間、足を縛る冷気の鎖が千切られた。


「マジか……よッ!」


 獣の怒気に数歩押し戻されながらも僕は空を薙ぎ、もう一度ジミンの身体に向けて鎖を放つ。
ジミンの身体を捕らえた鎖は圧と変わり、再び凍結した地面に縛り付けた。


「“ぐうぅっ!”」


 一瞬取り返した自由を再び僕の怒気の鎖によって奪われ、悔しそうに僕を睨みつけた獣。

 油断した……。あの鎖から一瞬でも逃れただなんて。

 そのきっかけは獣が発した言葉。
その言い回しに明らかな違和感があった。

 【ボクの中のボク】、【拒絶】。

 ジミンの中で何が起こってるんだ?


「僕はお前を拒絶したことなんてないよ?寧ろ、お前が僕を拒絶していたじゃないか」

 僕の中に焦りが生まれ、封じていたはずの『父親』の僕が顔を出した。

† 憎しみで別つ心→←深淵いう名の闇の海



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作品ジャンル:恋愛
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あがしおん(プロフ) - 舞子さん» 舞子さん、初めまして!コメントありがとうございます!お気に召していただけて嬉しいです♪そして、泣かせてしまって申し訳ないです(汗) (2020年4月30日 13時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - あがしおんさん、初めまして。気づいたらあがしおんさんの世界観と描写に酔い、親子、師弟関係の絆に号泣していました。素敵な作品に出会えて幸せです。公開して下さり、ありがとうございます。 (2020年4月30日 4時) (レス) id: acc8d9f98e (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - カナタさん» カナタさん毎度ありがとうございます!ジミンちゃんは無事和解成立!テヒョン君はミッション中のご様子・・・wテヒョン君はミッションクリア成るか?(爆) (2019年4月6日 2時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - ジミンちゃん's よかったね!なかよくするんだよ〜ヽ(;▽;)そしてまさかの繋がりwww お久しぶりのテヒョンくんですね! (2019年4月6日 1時) (レス) id: 0d504a4dae (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - そす。さん» そす。さん、いつもコメントありがとうございます!いやー!長かった、このターン!ラスボス、待ちくたびれてますよ……ねぇ?w (2019年4月1日 7時) (レス) id: 79d9a7f227 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あがしおん | 作成日時:2019年3月17日 0時

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