† 我が子の強さを知る ページ20
SJ side
「“くすくす……この程度が長の力なの？『父さん』？”」
「私はまだまだ本気を出し切っていないよ？手加減してあげないと、私とお前とでは力の差があり過ぎるからね。
これでも私は一族の長、だから。その私の最後の慈悲だと思うがいい」
見下ろす様にプレッシャーをかけ睨みを利かせれば、がくんと片膝を折った獣。
視線を外すことなく畳みかけるように圧をかけ続ける。
思うように動けない獣は僕を赤く鋭い目つきで睨みつけた。
「“手加減？慈悲？……笑わせるな。今のボクのほうが絶対力は強いと思うけどね？”」
「思い上がるなよ、獣。これでも抑えてると言ったろう？
同じ本性を持ち合わせていながら、私との力の差も推し量れないのか？」
ジミンの声と言葉を借りて減らず口を叩く若き本性は、虚勢を張りながらも身体の震えは隠しきれずにいる。
その震えはどちらのものだろう。
この寒さに対してなのか、長への畏怖か。
「我が息子はそんな愚かな事を言う子ではないのだけれどね？」
それでも自分が強いと信じて己の自信をプライドを保とうとする、若さゆえの虚勢。
可愛らしいものだ。
とは言え、獣が言う事も一理ある。
僕は、ジミンの怒りの強さを今日まで知らなかった。対峙してみて正直その強さに驚いた。
流石は我が息子、気を引き締めて本気出さないと、あの怒りは、下手をすれば本当にユンギより強くなるかもしれない。
それだけ強いのに、その怒りをまだ扱い慣れてないのがせめてもの救い。
だからこそジミニは動かさせない、一歩たりとも。
やがて獣と僕の間の空気が凍結しきった。
ついには結晶化した空気中の水分が、輝きながら舞い始めた。
……程なくしてジミンの両足が完全に凍り付く。
身体に纏わりつく冷気にきつく地面に縫い付けられた。
それでもなお僕は、冷たい怒気を緩めず叩きつけた。
「まあ、仕方ない。
それでも本気を見せろと言うのならその挑発に乗ってやってもいいけれど……」
少しずつ、だが着実にジミンの本能の力が殺がれていくのを感じ取れる。
辛いだろうね、ジミナ。でももう少しだけ。
「大口を叩くくらいなら、もう少し私を愉しませてみたらどうだい？若き獣」
父さんが道筋を作るから、もう少しだけ耐えて……。
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あがしおん(プロフ) - 舞子さん» 舞子さん、初めまして！コメントありがとうございます！お気に召していただけて嬉しいです♪そして、泣かせてしまって申し訳ないです(汗) (2020年4月30日 13時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
舞子(プロフ) - あがしおんさん、初めまして。気づいたらあがしおんさんの世界観と描写に酔い、親子、師弟関係の絆に号泣していました。素敵な作品に出会えて幸せです。公開して下さり、ありがとうございます。 (2020年4月30日 4時) (レス) id: acc8d9f98e (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - カナタさん» カナタさん毎度ありがとうございます！ジミンちゃんは無事和解成立！テヒョン君はミッション中のご様子･･･ｗテヒョン君はミッションクリア成るか？（爆） (2019年4月6日 2時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - ジミンちゃん's よかったね！なかよくするんだよ〜ヽ(；▽；)そしてまさかの繋がりwww お久しぶりのテヒョンくんですね！ (2019年4月6日 1時) (レス) id: 0d504a4dae (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - そす。さん» そす。さん、いつもコメントありがとうございます！いやー！長かった、このターン！ラスボス、待ちくたびれてますよ……ねぇ？w (2019年4月1日 7時) (レス) id: 79d9a7f227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2019年3月17日 0時
