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ベッドに戻る事を頑なに拒否し続けるユンギさんに、とりあえず着替えだけでもしてもらおうと説得して寝室に行き、脱衣スペースのラックから一式見繕って戻って来た。
ソファで渡した毛布にくるまって子供の様に眠りこけるユンギさんの顔を眺め、そっと髪を撫でる。
あんなに甘えん坊なユンギさんは初めてだった。
熱を測るのを嫌がった時の「やだ」も然り、毛布広げて「一緒に入れ」も然り。それからずっと抱きついて離れなかったのも然り……。
「可愛かった……」
現在進行形で萌えに悶えまくっちゃって大変!
甘えられるんじゃん!甘えだしたら凄いんじゃん!
もうこれ、デレの暴力だよ!!
いつもこんなに素直ならいいのに。
いや、いつもこんなに素直に甘かったら、私幸せ過ぎて溶けて原型無くなっちゃうからたまにでいい。
気を取り直してユンギさんの肩を軽く揺らす。
「オッパ、着替えない?」
「…………」
「起きるわけないか」
結構辛そうだったもんね。
着替えをサイドテーブルの上に置いて立ち上がろうとしたら、
「ん……」
もぞもぞし始めたユンギさん。
目を覚ましたのかなと思って顔をを覗き込んだら。
「わっ!」
そのまま捕まって引っ張られた。
「う、ちょ……ユンギさん」
今の私、ユンギさんに覆い被さって首元に頭を乗せて、上半身にユンギさんが抱きつかれてる状態。
私も相当ドキドキしてるけど、ユンギさんもかなり鼓動が早い。
耳にかかる吐息は早くて浅くて、ちょっと色っぽくも聞こえてきちゃう。
あまり汗かいてないみたいで、頬に触れる肌はサラッとしてる。
え?それって脱水して身体に熱がこもってるって事じゃ……。
「やっばい!」
急いでユンギさんから離れて、冷蔵庫に入れておいた飲みかけの経口補水液を取りに走った。
お泊りを決断したのは正解だった。
あれからユンギさんの体温をこっそり測ると38度まで上がっていて、とにかく薬を口に放り込んで体を冷やし、水分を摂らせたことで漸く汗が出はじめて熱が落ち着いて……と、一晩中、看病に忙しかった。
翌朝、改めて熱を測ってみると、
「37度台……良かった、下がった……」
一晩中看病した努力の結果が数字になって表れていた。
「ホントよかったぁ……」
急に気が抜けて、ユンギさんの隣に倒れ込んであっという間に眠りに落ちた。
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あがしおん(プロフ) - さあとさん» コメントありがとうございます!ホントですか?!嬉しいです〜!お暇な時にまた違うお話もよろしければ♪ (2020年8月4日 21時) (レス) id: 790268ff01 (このIDを非表示/違反報告)
さあと(プロフ) - このシリーズ大好きです(^^)たのしかったぁ(*゚∀゚*) (2020年8月4日 20時) (レス) id: ec1f7b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - 未緒さん» コメントありがとうございます!なるほど続編ですか……。このペアも確かにその後が気になるっちゃあ気になりますねぇ。確約はできませんが、いつか書けたらいいなぁ。と作者も思います! (2020年2月2日 21時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
未緒(プロフ) - すごく楽しかったです!続編も是非ともお願い致します!!(^-^) (2020年2月2日 21時) (レス) id: 52896eb52c (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - コットンさん» コメントありがとうございます!最高だなんて、嬉しい限りです。キュン&ほっこりしていただけて良かったです♪ (2019年3月9日 10時) (レス) id: 79d9a7f227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年12月6日 0時