107 ページ7
.
「ユンギさん、その、ビックリしちゃって……ごめんなさい……」
「いい、気にすんな。……あのさ、」
私の両肩を掴むように触れているユンギさんと視線が絡む。
な、何言われるんだろ。
それとも何かされちゃうの？
キスでもされそうな雰囲気と距離感に一向に落ち着かない私の鼓動。
ユンギさんは、伏し目がちに私を見つめる瞳を揺らしながら、囁くように優しい声を響かせた。
.
「……服、乾いたけど」
…………。
「速攻で着替えさせてください」
即答させていただいた。
まったく……！拍子抜けもいいところよ！
何のつもりだったのか、笑いをかみ殺し近づいてきたユンギさんをキッと睨みつけて隣をすり抜け、明かりの消されている廊下に早歩きで向かった。
「何なんですかもう！思わせぶりな行動しないでください！」
「あー、悪ぃ悪ぃ！確かに今のはやり過ぎた」
「っ！分かってるんならこんな事しないでください！」
謝りながら付いてくるユンギさんにちょっとイライラしながら突っかった。
「怒るなって」
すぐに私を追い抜いて、洗面台のドアの前に立ちはだかった。
「で？何、期待したんだよ？」
「きっ……期待なんて……」
ドライヤーが終わってからずっと、この後どうなっちゃうんだろうって思ってた。
だから期待は……ほんの少しした、けどそんな事言えるわけがないし！
ユンギさんの意地悪な言葉に、黙ったまま俯いていると、
「しなかった？思わせ振りだとか思ったんだろ？」
「･･･っ」
ちょっと優しい声で私の顔を覗き込むユンギさんは、少しだけ口角を上げて柔らかい笑みを浮かべていた。
せっかく落ち着いた鼓動がまた早まる。
私、何度顔を赤くすればいいんだろう……。
堪らない気持ちになって呟いた。
「ユンギさん……なんか今日、変……です」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 361人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あがしおん(プロフ) - ののはさん» ありがとうございまぁ〜〜〜〜〜す！ (2018年11月26日 23時) (
レス) id: 79d9a7f227 (このIDを非表示/違反報告)
ののは - 甘〜〜〜〜〜〜〜〜い！！笑 (2018年11月26日 21時) (レス) id: a42d85b0ec (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - ののはさん» コメントありがとうございます！心臓、飲み込んで戻しておいてください！もうちょっと甘くしておきますからね〜！マイペースで更新頑張ります！ (2018年11月26日 0時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
ののは - いやあ、もう最高です〜！キュンキュンし過ぎて口から心臓出てきて呼吸困難起こしそうです！！！(語彙力)ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2018年11月25日 21時) (レス) id: a42d85b0ec (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - 未緒さん» コメントありがとうございます！甘党ユンギさんとイチャイチャするのもいいですよね！私も書いてて幸せです♪ (2018年11月25日 1時) (レス) id: 79d9a7f227 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あがしおん
| 作成日時：2018年11月19日 6時
