そのこころもて･･･ゆえに

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あの場はジフンに心配かけない様にそう言ったけど、実はあれから全然連絡できていない。

あの夜のユンギさんの不機嫌な顔が頭にこびりついて、怖くてトーク画面すら開けていなかった。

こんな事初めてだし、どうすればいいんだろう。
時間が経てばたつほど言い訳にしかならないような気がして、余計に連絡が取り辛い。

「はぁ〜……」

この悩ましい状況になるくらいなら、あの時ちゃんと話しておいたほうが良かったな。
後悔先に立たず、だけどさぁ……。


お昼休憩中も、ユンギさんに連絡しようか止めようか、暗い画面のスマホを見つめてずっと迷っていた。

「はぁ。どうしよう」

力なく溜息と共に吐き出した。


そんな時、スマホが震える。

「ユンギさんっ？」

急いでスマホを確認すると、



ジフンA、まだ謝れてないだろ?一緒に謝りに行ってやろうか?


「ジフナ……」



私の事をよく理解している、ジフンからのメッセージだった。


相手がジフンだった事に何故かホッとしてしまった。
今の私には一人でユンギさんに会う勇気はない。ジフンはその事を分かっているんだと思う。


Aうん、お願い


彼女持ちのジフンを巻き込んでしまって心苦しいけど、それでも頼りたかった。
今はひたすらジフンの存在がありがたかった。


だからこそ私は、ユンギさんから逃げずにちゃんと謝らなきゃいけない。


ユンギさんに嫌われてないかな……。


会ってくれるかな……。


ちゃんと謝れるかな……。


「……っ、……ユンギさん」


不安な気持ちに押し潰されそうになりながら、お昼休みを過ごした。

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