そのこころもて･･･ゆえに

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とある居酒屋にて。

［久々の再会を祝して］
「乾杯！」

私の乾杯の音頭で始まった小さな小さな集まり。
と言っても、二人だけなんだけど。

［おばさんに久しぶりに会ったよ。昔と全然変わらないな］
「でしょ？お節介焼きとおしゃべりは今も健在だよ」

彼はジフン。

家が近所で親同士が仲が良かったこともあり、小さなころから仲良くしている幼馴染。きょうだいのいない私にとっては兄の様な、そして弟の様な存在。
大学の時に一人暮らしをはじめ、卒業と共に親戚の会社に就職したって母から聞いている。

そんな彼とちゃんと会うのは高校を卒業して以来。
ウキウキした気持ちが拍車をかけ、頼んだサワーが進む進む！
ユンギさんに“飲み過ぎるな”と釘を刺されていた事を忘れてしまいそうな勢いだった。

［Aも昔と全っ然変わらないな］
「何よそれ！私だってもういい大人よ？子供扱いならご遠慮願いたいところなんですけどぉ！」
［いやいや！そういう意味じゃなくて！相変わらずニコニコよく笑うなぁって］
「どうせ笑顔だけが取り柄ですよ〜だ！」

ぷーっと頬を膨らますと、指で私の頬を潰したジフン。

［お！可愛くなったよ〜？］
「止めてよぉ〜！」

ジフンと話していると、昔の私に戻っていくようで楽しくなった。

「今回はまたどうしてこっちに戻って来たの？」
［うん？ちょっとねー］
「何よ！私に言えないような事？」
［いや〜まだ内緒にしておきたいなって思っただけ！］
「何それ？後でおばちゃんにでも聞いてみようっと！」
［げ、母さんに聞くのは止めてくれよ！ちゃんと話すから！］

それぞれの近況報告と昔話に花が咲き、時間が経つのを忘れる程話が盛り上がっていた。

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