そのこころもて

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YG side


Aはジミンとテヒョンと同い年だった。でもどことなく大人びて見える。

服装は合コンに呼ばれたにしては、ブラウスとスキニージーンズとラフな格好。
急に呼ばれたって言うのに納得した。
明日は午後から店舗への出勤らしく、それもあって合コンに参加したそうだ。


彼氏がいなさそう、だとか揶揄ってやったら顔を赤くしてポカンとしていた。

「くくくっ！図星ですか？俺の観察眼もまだまだ健在だ」

その観察眼が自分にも働けばな。
ジニヒョンみたいに俺も、自分が絡むと見えなくなるのは仕方ねぇってことなのか。

飲み進めながら他愛もない話が続く。

「先輩のおかげで晩御飯代は浮いたし、ユンギさんのおかげでおしゃれなカクテルが飲めたし、今日は意外と楽しかったです」
「それは良かった」

バーテンの賭けには負けたが、俺の退屈しのぎもできたし、Aが楽しめたんなら結果オーライか。


で、ちょっとした身の上話になった時。

「私、広場のコーヒースタンドに時々入ってるんです」
「え、俺の会社、その広場の目の前」

縁とは異なもので、まさかそんな近くで働いてるとは思ってもみなかった。

昼休みはひたすら寝たくていつも屋上に直行だったからな。コーヒースタンドは行った事ねぇわ。

案外出逢いはどこにでも転がってるもんだったんだな･･･。
俺って意外と本気出してなかったりして。

･･･俺もたまには降りてみればよかったな。

「え？」
「あ、独り言」

やべ。声に出してたか。
独り言を聞かれた恥ずかしさもあって、 もう残り少ない酒を呷った。


しかし何でそんな事思ったのか･･･。


会社の後輩以外で、女と酒飲んだことなんてなかったから浮かれてんのか？

単に飲み過ぎて気が緩んだか？

それとも最近いろいろあって参ってんのか？





……マジでやべぇな、俺も。

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