そのこころもて

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YG side



閉じ込めれば溢れ、整理したら新たに生まれる、ヒョンが言ってた。


じゃあ、俺は？

諦めて『捨てた』俺はどうなんだ？

あの二人は心にその『想い』をそれぞれに抱えていた。
ヒョンは伝えず心の奥に閉じ込め、ジョングギは伝えても未練として残して。

それでも二人とも、『想い』を『思い出』に変えて乗り越えた。

伝えず逃げた俺は、捨てて忘れられていただろうか？
諦めて手放した俺は、捨てて思い出に変えられていただろうか？


その答えをジニヒョンに聞くのもどうかと思うけど。


「捨てたって、何の事ですか？ユンギヒョン」
「……俺の気持ちってヤツ」

ナムジュニは俺がアロに惚れたことは知らない。今更話すことでもねぇからジニヒョンだけに話したかった。

「あぁ。アロちゃんとの失恋引きずってたんですね」

目の前の料理と口に運びながら、サラッと言ったナムジュナ。

「…………」

こいつ、知ってやがったのか。

「ユンギは僕の為に身を引いてくれたんだよ？もう引きずってはいないって言ってたけど？」
「まあ、パッと見はそうでしょうけど？接し方で気づきますよ。少なくとも、うちの課でそれ分かってたのは俺だけでしょうけどね。」

ジュニもなかなかの曲者だ。

付き合いの長い二人に隠し通せてなかったとなれば、やっぱ俺って分かりやすいのかもしれねぇな。

「ユンギヒョンは一線引くのが上手いんですよ。そういう意味ではユンギヒョンはアロちゃんの事、ちゃんと影で見守れてたと思うんですよ」

ホント、こいつも俺をよく見てたんだな。

「ただ、上手過ぎて自分を傷つけてる事にも気づかない」
「それは……認める。」

ナムジュニの正論は素直に受け入れなきゃいけねぇな。間違ったことは１つもないから。

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