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YG side
メッセージで宣言した通り、昼休みにスタンドへ出向くために会社の外に出た。
鈍色の空の下、目の前のコーヒースタンドは客足もなく、ぼけーっと二人並んで立っているのが見えた。
「よぉ。二日酔いはしなかったか?」
コーヒーを注文してAと話をしていると、いつぞやの無理矢理合コンの数合わせに呼んだっていうAの先輩が、俺を見て色めき立っている。
「向かいのビルで働いてる者です。一応Aさんの知り合いってところです」
俺だって営業スマイルくらいできるし。内勤だからって舐めんなよ?
近くのテーブルを陣取ってAから渡されたコーヒーを飲みながら、仕事中のAを盗み見ていると、隣にいたAの先輩と目が合った。
・・・何で俺がここに1人で居るか、ちょっとは考えろよ、Aの先輩さんよ?
その念が通じたのか、Aがエプロンの紐を解きながら、弁当片手に俺の前の席に立った。
伸ばしていた身体をゆっくり戻して座り直す。
「休憩?」
「あ、はい・・・。ユンギさんお昼は・・・」
「もう済ませた。昨日は勝手に上がり込んで悪かったな」
「いえ、こちらこそご迷惑をおかけしてすみません」
胸に弁当を抱きしめて小さくなっていた。
「もう謝んの無しっつったろ?昨日ので腹一杯だから」
「・・・ごめ・・・ありがとうございました」
「くくっ・・・突っ立ってないでそこ、どうぞ?」
テーブルを指で叩いて俺の向かいの席に座るように促すと、
「すみま・・・お邪魔します」
わざわざ言い直して席に座り、スープマグを包みから出して蓋を開けた。
「ふーん。スープ……」
「多少食欲無くて・・・。ユンギさんが言ってたのを思い出して、作ってきました」
「・・・そうか」
ショートパスタと野菜が浮かんでいるのが見えるスープマグにスプーンを入れ、中身を掬って少しづつ口に運んでいる。
時々、俺を見て、目が合うと手元に落として逸らす。
昨日の事、まだ気にしてんのかよ。あいつどれだけ覚えてんだ?結構普通に会話できてたからな。
俺は昨晩の事をAに聞いてみた。
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あがしおん(プロフ) - みほんぬさん» 今回ト書きを控えてみたんです。でも、気づかれなかったという事は、違和感なく読んでいただけてると言う事ですね!ありがとうございます!これでまたぼちぼち更新頑張れます〜! (2018年11月2日 22時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
みほんぬ(プロフ) - あがしおんさん!今回書き方変えていたんですね!それにすら気づかないほど…笑!頭の中でイメージというか、想像が凄く出来ます!個人的な意見ですが、あがしおんさんの作品が一番想像しやすく、すんなり入ってきます!すみません!分かりにくくて…とにかく好きです笑 (2018年11月2日 20時) (レス) id: 8841fa546a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - みほんぬさん» こちらこそありがとうございます。今回、遠きに&悲しくシリーズと書き方を変えてますが、読みにくくないですか?不都合ありましたら、いつでもご意見頂ければと思います! (2018年11月1日 23時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
みほんぬ(プロフ) - あがしおんさん!お待ちしておりました笑!ユンギさん、ありがとうございます!kさんと私も同感です!全部の作品が本当に自分の事かのように笑!想像出来る作品を作って下さり毎回感謝しかないです!仕事行く前に読んで頑張ってます!更新ファイティンですー! (2018年11月1日 22時) (レス) id: 8841fa546a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - kさん» コメントありがとうございます!お気に召して頂けて嬉しいです!マイペースですが更新頑張ります! (2018年11月1日 7時) (レス) id: 79d9a7f227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年10月24日 21時