3 ページ3
.
お手洗いを口実にあの場所から遠ざかれたものの、すぐに戻るのはちょっと・・・。
そう思ってお店の奥のバーカウンターをチラチラ覗き込んでいた。
遠目にもとても気になっていたこの一角。
後ろの騒がしさが嘘のようにここは静かだった。
間接照明が優しく照らすカウンターテーブル、向かいの棚にはカラフルなリキュールたちとおしゃれな形のボトルが所狭しと並び、そこで静かにシェーカーを振る色白のクールな雰囲気のバーテンダーさん。
肘をつき、お酒を静かに飲むお客さんですら、素敵に見えて来ちゃう不思議。
おしゃれだな〜なんてチラ見が止まらない。
〔カクテル、何か飲まれますか?〕
コソコソしている私にバーテンダーさんが声を掛けてきた。
しまった……見るだけにしていつもりなのに。
「あ、私、お酒飲めないので」
手をフリフリしてやんわりお断りしようとした。
バーなんてお酒が飲める大人な人が行く所だと思ってるし。
〔ノンアルコールもありますよ。遠慮せずにどうぞ〕
「えっ!ノンアルコールのカクテル……?」
カクテルにノンアルコールがあるなんて知らなかった私は、バーテンダーさんの言葉に興味が湧いた。
バーテンダーさんはにこりと微笑み綺麗な手の平を差し出し、男性客の1つ隣の席を勧める。
「じゃ、じゃあ、1杯だけ……」
おずおずカウンターに腰を下ろし、初めてのバーの雰囲気に心踊らせながら、ノンアルコールのカクテルが出来上がるのを待つことになった。
ちらっと先輩の方を見ると、相変わらず上機嫌に一人でお酒をかっ喰らっている。
・・・ご機嫌な先輩は絡み酒タイプじゃなく、笑い上戸な人だから、しばらくは一人で放っておいても大丈夫そう。
ちょっとホッとしていると、
「大変ですね、酔っ払いの相手は」
「え?」
声を掛けてきたのは、1つ隣の席で小さなグラスを呷る男性客だった。
619人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あがしおん(プロフ) - みほんぬさん» 今回ト書きを控えてみたんです。でも、気づかれなかったという事は、違和感なく読んでいただけてると言う事ですね!ありがとうございます!これでまたぼちぼち更新頑張れます〜! (2018年11月2日 22時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
みほんぬ(プロフ) - あがしおんさん!今回書き方変えていたんですね!それにすら気づかないほど…笑!頭の中でイメージというか、想像が凄く出来ます!個人的な意見ですが、あがしおんさんの作品が一番想像しやすく、すんなり入ってきます!すみません!分かりにくくて…とにかく好きです笑 (2018年11月2日 20時) (レス) id: 8841fa546a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - みほんぬさん» こちらこそありがとうございます。今回、遠きに&悲しくシリーズと書き方を変えてますが、読みにくくないですか?不都合ありましたら、いつでもご意見頂ければと思います! (2018年11月1日 23時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
みほんぬ(プロフ) - あがしおんさん!お待ちしておりました笑!ユンギさん、ありがとうございます!kさんと私も同感です!全部の作品が本当に自分の事かのように笑!想像出来る作品を作って下さり毎回感謝しかないです!仕事行く前に読んで頑張ってます!更新ファイティンですー! (2018年11月1日 22時) (レス) id: 8841fa546a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - kさん» コメントありがとうございます!お気に召して頂けて嬉しいです!マイペースですが更新頑張ります! (2018年11月1日 7時) (レス) id: 79d9a7f227 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あがしおん | 作成日時:2018年10月24日 21時