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JK「A!」
ユンギ主任からの呼び出しのすぐ後、部長へ昼の一件について懇請した戻り、オフィスの入り口でジョングク先輩に声を掛けられた。
JK「どこに行ってたんだよ。」
A「(えっと……ユンギ主任に呼ばれて・・・)」
JK「・・・。」
また怖い顔になってるぅ・・・。
A「(・・・わたしの上司なので、しょうがないってそこは諦めてください・・・。)」
JK「まったく・・・。最近の主任は俺を振り回してる気がするよ・・・。」
わたしには主任がジョングク先輩を弄んでる様に見えるんですけど、気のせいでしょうか?
JK「あのさ、A。今夜ちょっと……」
YG「やー!口説いてないで仕事しろ!ジョングガ!」
わたしに何かを言おうとしたジョングク先輩の言葉を遮り、ユンギ主任がむすーっとした顔で休憩室から戻って来られた。
JK「くっ・・・口説いてなんか!……A、スマホ貸して。」
A「ぇ、」
JK「連絡先知らないから。またアパートに押しかけられたくないだろ?」
A「(そっ、それは困ります・・・。ちょっと待ってください・・・。)」
デスクまで戻り、足元に置いていたバッグから自分のスマホを取り出して渡すと、素早く自分の携帯番号を打ち込み、通話をタップした。
JK「ありがと。」
わたしにスマホを返し、すぐに耳に当てる仕草をしてみせた。
ジョングク先輩が自分のデスクに戻りながらポケットからスマホを取り出し、言われたとおりに耳に当てると、すでに通話状態のスマホから
JK『今夜ちょっと付き合って。会社の前のコーヒースタンドで待ってる。』
先輩の声が優しく鼓膜を震わせた。
わたしに視線を送りながらそれだけ言って、通話を切った。
A(……直接言えばいいのに……。)
何事もなかったようにわたしも自分のデスクに着座した。
何事もなかったように……できるわけがない。
顔が熱い。
スマホを当てていた耳も熱い。
耳に残る先輩の優しい声がわたしの胸を高鳴らせ続けた。
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年9月2日 6時