そして悲しく想うもの･･･ところが (ページ34)

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A「先輩が傷つく様なことは、わたしは望んでいません。わたしがうっとおしいと思われるのでしたら、わたしは先輩の元を離れても構いません。
だから、先輩を貶める様なことは止めて下さい。・・・あなたの為にも。」

「は？私？何であんたみたいな根暗に心配されなきゃいけないのよ？」

A「因果応報、あなたがした事はあなたに必ず戻ってきます。
誰かの不幸を願えば、いずれあなたも不幸を願われることになります。
誰かを貶めて手に入れた気持ちは、誰かにあなたが貶められて奪われることになります。」

「何よ偉そうに。そもそも入ったばかりの新人のあんたに・・・彼の何が分かるの？」

A「そうですね、うちのソクジン課長に負けず劣らす一途な方だと思います。
そして、心を捧げた方の幸せを願える方だと思います。
少なくとも、あなたのように自分の事ばかり考える方ではないと思います。」

「何わけのわからない事を･･･」

A「そんな先輩を振り向かせたかったら、卑怯な手は使わず、姑息な手段を選ばす正々堂々とお気持ちをぶつけてみてはいかがですか？」

「・・・」

何も言えなくなったのか、黙り込んだ。

A「それでもダメなら、先輩の事をちゃんと諦めて新しい出会いを見つける方があなたにとって有意義かと思います。」

A「ジョングク先輩は、一人の人に心を捧げた人です。余程、気持ちに変化が訪れない限り、先輩は姑息な手段で近づくあなたに振り向きもしないと思います。
今後あなたが幸せになりたければ、先輩の気持ちをきちんと受け止めてください。」

言いたい事は言えたと思う。
わたしなんかの為にジョングク先輩にご迷惑はかけられない。

これでもし皆さんの許を離れてしまわなくちゃいけなくなっても･･･。

先輩の名誉を守れるなら、それでもいい。

「何よ知った風な口きいて･･･！」

わなわなと震える拳を開き、振りかぶったその人。

思わず歯を食いしばり目を瞑った。

？「はいそこまで～。」

背後から聞こえた聞き覚えのあるその声に、わたしはゆっくり目を開けた。

目の前の女性社員は、怯え切った表情を浮かべ、完全に戦意喪失していた。

わたしの後ろには

YG「俺の目の前で俺の部下を虐めるなんざ、いい度胸してんな？」

うちの課の守護神のユンギ主任が立っていた。