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A「送ってくれて・・・ありがと・・・ございました。また、来週、会社で。」
何とか声にした言葉をジョングク先輩に伝え、フワフワした気分で階段を登り、静かに玄関の鍵を閉める。
靴を脱いで、部屋の明かりを点ける間もなく手から荷物が滑り落ちた。
「・・・っ・・・ぷは!」
息苦しさにその場にへたり込む。
「はぁ!はぁ!はぁ!
息が・・・できなかったっ・・・!」
ま、ま、ま、まままま
「待て待て!!今のは反則でしょ?!」
何ですか?あの流れはっ!
外で!ハグだよ!抱きしめられたよ!
しかもわたしの名前、呼んでたっ!!
もっと言ったら・・・
「くっ・・・・・・唇・・・撫でられた……!」
立ったり座ったり、落ち着きなく部屋をうろうろしたり、でもこのやり場のない気持ちをどこにもぶつけられず、
「うぅ〜・・・不可抗力すぎるぅ。」
顔を覆ってその場に崩れ落ちた。
わたし、急過ぎて全く動けなかったっ!
瞬きすら忘れてた!!
瞬き忘れてたせいで、もうはっきりと、それはばっちりと、唇を撫でる先輩のどアップを記憶してしまった!!!
何あのやっっさしい顔は?男性なのに……華があり過ぎた!!
心拍数が半端ない!ただでさえもう前みたいに普通でなんかいられないってのに!何であんな事っ・・・!
「わたしが・・・先輩を好きじゃ・・・なかったらっ・・・!」
ぶん殴ってたかもしれないのにぃぃ?!!
「先輩のっ・・・ばかぁ・・・!」
一晩中悶絶していた。
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年9月2日 6時