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JK side



我に返って精一杯の理性をかき集めて建て直した。



JK「・・・ごめん、A。俺・・・、」



腕を解いてそっと肩に触れて体を離す。


目を見開いたままAは、鼻の上にずれたメガネを戻すことを忘れて完全に固まってしまったらしい。

それでも綺麗な目はずっと俺を捉え続けているようだ。


まったく。なんつー顔だよ・・・。


思わず頬が緩んだ。


頬に触れて手の指でAの下唇をそっと撫でる。

JK「・・・A?しっかりしないと、次はキスしちゃうよ?」

ちょっと意地悪のつもりで言った俺の言葉で我に返ったA。

A「(は、あ、え?)」

顔を真っ赤にしてあたふたしだした。

うん、揶揄ったときの反応が何か小動物みたいで可愛いよな。
そう思っている自分がいる。

Aの困った姿を見て、俺も急に自分のとった行動が恥ずかしくなった。


一歩、Aから離れる。


JK「ごめん。俺、ちょっと飲み過ぎた。」

A「あの・・・」

JK「ん?また部屋にお邪魔していいの?」

A「へぇっ?!」


街灯の下だから、顔が真っ赤になってるのが良く見えた。
可愛いけど、これ以上揶揄うと俺が何か無理そうな気がする。


JK「くすっ。冗談だよ。寒いから、早く部屋に戻って。じゃ、おやすみ。」


余裕が残ってる今のうちに俺も帰ろう・・・。
そう思ってきた道を戻ろうとした。


A「(せん、ぱい。)」


いつもの囁くような声が聞こえた。
振り返ると、



A「送ってくれて・・・ありがと・・・ございました。また、来週、会社で。」


微笑んで、俺にそう言うとアパートの階段をゆっくり上がっていった。


俺があの時言った言葉を、覚えていたんだ。



JK 「ふふっ」



つい緩む口元を隠して駅まで急ぎ足で向かった。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年9月2日 6時

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