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わたしの後ろを少し距離を取りながら、わたしの歩調に合わせて歩いてくれるジョングク先輩。
あれからずっと黙ったままで、こちらから話しかけるべきか、ずっと迷っていた。
ちょっと言い方マズかったかな・・・。それっぽい、だなんて・・・。
でも実際、ああいうセリフって、ちょっと気がある人が聞いたら期待しちゃうセリフだよね。
え、待って、それどういう事??
・・・自分で言っておいてよく分かんなくなってきた・・・。
最寄り駅まで来て、送ってくれたお礼を言おうと立ち止まり振り返ったら、目の前にジョングク先輩の胸があった。
A「(へっ?)」
JK「後ろ、つかえてるから早く。」
そう言われて慌てて改札を抜けると、ジョングク先輩も改札を抜けてきた。
え?送るって・・・まさかわたしのウチまで??
って、聞こうと思ったら手を引いてわたしが乗る方向の電車に一緒に乗り込んだ。
電車内でも手を離さず、黙ったままのジョングク先輩の横顔を見る。
ずっと窓の外を見てるだけ。
何を考えてるのかわからない・・・。
ユンギ主任と話をしてからジョングク先輩の様子が変。
もっと言えば、あのお店を見た時からずっと変。
わたしは先輩と長くいられるのはうれしいけど・・・。でも、ずっと沈黙したままって、楽しくない・・・。
何か、話くらいしてもいいんじゃ・・・。
ああ、そっか。味噌っかす陰キャラメガネに話すことはないってことですか、そーですか。
・・・自虐も今は辛いだけだ。
電車を降り、アパートに続く薄暗い夜道でようやく先輩が、
JK「A、ごめん、無理矢理ついてきて。」
握っていたわたしの手を離し、申し訳なさそうに口を開いた。
A「(いえ、送るって言ってたんで、多分、うちまで来るんじゃないかって途中で思いました。)」
JK「ははっ・・・そうなんだ。」
取り繕って笑うと、すぐに気まずそうに目を逸らした。
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年9月2日 6時