こんな僕でも・・・が欲しい！

君の部屋まで ページ44

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　また玄関前にあの男が張り付いていたら怖いってことで、僕も一緒に彼女の部屋の玄関前まで同行することになった。

「あの、ジミンさん」
「はい？」

　沈黙が続くエレベーターの中で、ぼんやりと液晶画面の増える数字を見ていたら、Aさんが声を掛けてきた。

「その……あの、」
「？？」
「いつかお父様と仲直り……できるといいですね」
「………………」

　仲直りなんて。ケンカすらした事ない関係なのに。

　でも心配してくれたんだろうな、そう思って、ありがとうって言おうとしたところでエレベーターの扉が開いた。

　感謝の言葉は……伝えられないままになってしまった。




　安全確認のために僕が先に降りて様子を伺う。

「誰もいないみたいです」
「よかった」
「行きましょう」

　扉を押さえてAさんをエレベーターから降ろし、彼女の一歩前を歩き周囲に気を配っていた。

　Aさんの部屋の玄関に到着して、異変に気づいた。


　……扉の向こうに人の気配がする。

「Aさん、あの、」
「はいっ？」
「部屋に誰かいるみたいです」

　一瞬青ざめたAさん。
　でも、気持ちを持ちなおして

「もしかしたら、兄かも……」
「じゃ、一応僕がドアを開けるんで、鍵だけお願いします」
「分かりました」

　Aさんが玄関の鍵を開け、僕がドアノブに手をかけ……



　




……た瞬間、


ガン！

「ぃだっ！！」


　勢いよく扉が開き、

「A〜〜〜〜〜〜〜！！おっそい！！」

Aさんとよく似た香りの男性が飛び出してきた。

「お、オッパ！」

　驚くAさんの横で僕は、


「ん゛う゛〜〜〜〜〜〜っ！」


真正面から扉を受け止めてしまった顔を押さえて痛みに悶えていた。

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