こんな僕でも・・・が欲しい！

店長の悪戯 ページ42

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「あの！半分出します！来てもらっちゃし、店長がちょっと意地悪したみたいだし！」
「ん？意地悪？」

　美味しく食事を頂き、お会計というところで、お財布を出そうとあたふたするAさん。

「あんな高い料理を出すなんて思っていなくて！」
「美味しかったからいいよ。それに僕が払わなきゃ、誘った意味がないでしょ？」
「おや、もうお帰りですか？」
「はいっ！ご馳走様でした！とっても美味しかったです！」

　レジに出てきた店長さんにお礼を言ったところで、

「てっ！店長！ちょっとっ！」

ナムジュンさんの袖を引っ張って僕に背を向け、厨房の入り口でコソコソと話をし始めたAさん。

　何の話をしてるんだろう？

「何であのメニューにしたんですか！」
「A？男には見栄を張らなきゃいけない時だってあるんだよ？」
「だからってジミンさんにあんな……！」
「あ、ごめんねジミン君、お会計だね？」

　話が終わったのか、レジまで戻って来たナムジュンさんがにっこり笑って会計をしていただく。

「ちょっと！店長？！」
「はい、これでお願いします」

　ユンギヒョンから「働き出すまでの間は買い物代金はここから出せ」って言われて持たされたカードを差し出した。

　まだ無職の僕の、もう１つの生命線。
　普段はヒョンと一緒だから、使う事なんてなかったんだけど、持っててよかったぁ〜！やっと役に立てられる日が来たよぉ〜！


「あ、カッコいいデザインのカード！」
「………………」

カードを見てそれぞれ不思議な顔した二人。

「あ、ちょっと珍しいカードっぽくって、たまーに使えるの？って聞かれるんですけど、使えるやつなんで、大丈夫です！」

　ちゃんと説明しておかないと、後で変に疑われても困るからな。
とりあえず僕の説明で納得してくれた店長さんがカードを通した。


「うん……確かに珍しいですね。真っ黒いカードなんて」
「俺、ブラックカードって初めて見た」



ふ〜む。やっぱり認知度低いなぁ。このカード。

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