こんな僕でも・・・が欲しい！

デートみたい ページ41

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　あぁ〜♪ここのお肉、確かに美味しい！

　レアの血の匂いがダメな僕だけど、これ、お肉が新鮮なんだろうな。匂いがしない。
　それにギリギリで火を止めて余熱でしっかり火を通してあるから格別に柔らかいし、Aさんの言う通りソースも繊細な味で絶品だ！


　と、思った感想を厨房から出てきた店長のナムジュンさんに話したら、ご満悦になってくれたらしくてグラスワインを奢ってもらった。

　……店長さん、いい人だなぁ。

「Aさんのお店、評判がいい訳だね！これだけ美味しいんだもん！」
「良かった。喜んでもらえて。普通の食事じゃおなか一杯になれないのに、ごめんなさい」
「僕はAさんと一緒にご飯が食べられるだけで嬉しいって、言ったでしょ？」

　お腹はいっぱいにはならないけど、心は満腹です！

　僕の話を静かに聞いてくれていたAさんは、ちょっと頬を赤くして、

「何だか、デートみたい……ですね」
「んへ？」


　その言葉に胸の奥で何かがトクっと反応した。


　そうか。そう言われればそうだ。
ただ会いたい一心だったから、考えてもみなかったな。

　Aさんにそう思ってくれてるなんて、嬉しいなぁ。


「デート……そうだね！」


　……今度はトクっとした部分がきゅーっと苦しい。

　笑ってはみたものの、さっきの胸の奥で感じたあの感覚は何だったのか、少し気がかりだった。


　けれど、深く考えるのはまた後で。


　今はAさんとの楽しい食事デートを楽しもう。

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