こんな僕でも・・・が欲しい！

僕に厳しく、あの子に優しく ページ39

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　Aさんがいなくなったタイミングで、店長さんが僕に近づいてきた。

「初めまして。店長のナムジュンです。Aを助けていただいたそうで」

　にっこり笑ってあの夜の話を切り出したナムジュンさん。
　Aさん、付き纏われた話を店長さんにしているのか。
僕の事もご存知のようだけど、どう話してるんだろう？

「でも結局取り逃がしてしまったんですけどね……」
「いえ！いいんですよ、そこは。二人に怪我がなくてよかったです。貴方のおかげでAが怪我せずに済んだんです、感謝してますよ」
「いいえ、当然の事をしたまでです」

　いやぁ〜！褒められるって気分いいなぁ！

「ところで君、」
「あ、申し遅れました。僕、ジミンって言います。」
「ああ、うん、ジミン君、」
「はい、」
「Aの彼氏？」


　……は？


　やっぱりにっこり笑っているけれど、その目の奥にはちょっと鋭さがある。

「と、申しますと？」
「いや、君の話をAから聞いていてね。君が部屋にいた時に追っ払ったとすればもしかして、そういう仲なんじゃないかなーと」

　え？この方の中じゃ、僕がAさんの部屋にお邪魔したことになってるの？？

　いや、腹ペコの僕を拾って最終的に噛みつかれたなんてそりゃ言えないけどさ？
ナムジュンさんがどこまで知っているのか分からないから当たり障りのない返ししておかなきゃな。

「あー、と、何と言いますか……。おっ……友達、です」
「ふーん。そうでしたか、『お友達』でしたか！」

　わざとらしい程の笑みと同時に鋭さを増した、突き刺さるような視線。


　……圧が……怖っ。

「あ、はははっ……」


　ホントAさん僕の事、どんな風に店長さんに伝えてるんだろ、怖くて下手な事言えないよ。

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