上玉 ページ35
.
「…………」
黙って聞いていたユンギヒョンがぽつりと呟いた。
「濃厚で甘い、か。そりゃあもしかしたら“特別な上玉”かもしれねぇな」
「そう思います？僕もそう思います！……て、どうして話だけでそんなのが分かるんですか？」
「俺の経験値ナメんな。お前が言うその濃い甘さな、多分誰の手垢もついてねぇ証拠の味だと思う」
「なっ！それは……まさか？」
「そのまさか」
やっぱりそういう事？！
そういう意味で手垢がついてないってことだよね？？
なんてこったぁ！やっぱりそんな子から頂いちゃってたんだ、僕！
「それに相性もよさそうだしな」
「うん？相性？」
僕がキョトンとしていると、ヒョンはふっと微笑み、
「まあ、いずれ分かるさ。にしてもお前もやっぱりジニヒョンの息子だなぁ！そんな上玉見つけてくるなんてよ？」
犬をあやす様に僕の頭をわしゃわしゃ撫でまわした。
「……あの人と一緒にしないで下さい」
されるがままの僕はその人の名前が出てきた瞬間、テンションがダダ下がり。ちょっと不機嫌。
やっぱりそれは褒め言葉として認めません。全然嬉しくないです。
「だけどな？それだけの上玉で純潔な女、今時貴重だぞ？早くちゃんと掴まえておかないと他の人間に取られるからな」
「う。それ、は」
分かってますよぅ。人間の男の付き纏いに遭うほどに良い香りするんですから、あの子。
「連絡取れるようにはしたんだよな？」
「はい、そこは抜かりなく。また会ってくれるかはあの子次第ですけど」
「ま、大丈夫だろ？でもそれだけ味が良かったんなら、“あの時期”が来たらその女とすぐにでもクリアできそうだな」
「えー？そうですねぇ〜？やっぱそう思います？僕としてはぁ？もっと二人の時間を大事にして？ゆっくり愛を育みたいですけどね？」
まだ告白すらしていないのに勝手にあれこれ想像して、両手でほっぺを包んで、右に、左にゆらゆらっとくねくねっと可愛く身じろぎしていた。
……ヒョンからはすんごい冷めた目で見られてたけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あがしおん(プロフ) - syky1814さん» コメントありがとうございます。間もなくパス外して更新しますので、もうちょっとだけお待ち下さい〜。 (2020年6月13日 21時) (
レス) id: 4017986d72 (このIDを非表示/違反報告)
syky1814(プロフ) - はじめまして結婚してくださいのパスワードを教えてください。 (2020年6月13日 21時) (レス) id: 1e639eab67 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - kinanekoさん» コメントありがとうございます！何だかガッツポーズが見える気がしてきましたｗそんなに喜んでいただけると作者冥利に尽きます。ありがとうございます、ぼちぼちっと頑張ります♪ (2019年1月3日 22時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
kinaneko(プロフ) - あがしおんさんの新作を見つけた時、「来た……!!!!よっしゃ！」と思いました！今年もいろんな作品が見たいです！頑張ってください！応援しています！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: 6812edf24f (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - ARMY&CARATさん» 私の拙い作品を気に入っていただけて、ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります！ (2018年12月29日 2時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あがしおん
| 作成日時：2018年12月25日 0時
