こんな僕でも・・・が欲しい！

・パニック ページ22

You side


「ジミンさん！」

　走る勢いそのままに、ひらりと腰壁を越え、あっという間に飛び降りたジミンさん。

　ここ、６階なのに！飛び降りた……っ！
急いで下を覗き込むと、綺麗に着地して地面を回転し立ち上がり、風のように非常階段に向かって走る姿が見えた。

「生き･･･てる？」


　え？ホントにホントの天使じゃない？
驚きで追いかけるのを忘れそうになった。

　それでもあたふたしたままジミンさんを追いかけて、非常階段で下を目指していたら、


「……お前は彼女の、何？」


　さっきまで私の部屋でテンパってたりシュンとしたり、表情の忙しかった人とは思えないくらい、ゾクッとする程低く冷たい声に一瞬足がすくんだ。

「じっ、ジミン、さん？」

　逃げる男を冷たく睨みつけるように、後ろに視線を送る彼に声を掛けた。

「あ、Aさん、ごめんなさい。あの男、取り逃がしてしまいました」

　ジミンさんは眉を下げ、申し訳なさそうにしている。
　よかった……部屋で百面相してしたあのジミンさんだ。


　……って！違うでしょ？私！

「そんな事より！大丈夫だったんですか？！怪我してないんですか？」

　自分の感情の整理がつかないまま、ジミンさんに大声をあげてしまった。

「うん？怪我？」
「だって飛び降りたの、６階！」

　私が自室がある階を指差すと、


「………………あっ、」


　しまった！みたいな顔してるジミンさんをその場で問い詰めたかったけれど、夜中だし近所迷惑になりそうだし、そう思った私はジミンさんの腕を引っ張って急いで自分の部屋に戻った。

・天使どころじゃない→←ちょっとだけ本気出してみた

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