こんな僕でも・・・が欲しい！

空腹を紛らわせ！ ページ14

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　でも……。
　正直言って手を伸ばせばすぐに届く距離にとびっきりのご馳走があるのに、目に見えない頑丈な何かに隔てられて食べられないみたいな状況でかなり辛い。

だからってここで襲い掛かってしまったら、それこそ警察のご厄介になること間違いないから、拷問の如きこのひとときを必死で耐えるしかない。


　とはいえ、空腹を誤魔化せるならやっぱり食べたほうが多少はマシなんだよな。


　僕等ヴァンパイアは血以外、人間の食事も摂取するのは全く問題ない。
ただ食物からエネルギーをほとんど摂取できないだけ。
だってそれまで人間として生活してきたわけだから、普通の食事ができないと大変でしょ？

　でもヴァンパイアになった今では、それはただ空腹を誤魔化すだけの行為に過ぎない。
　水だってそう。
どれほど飲んでも、渇きは治まらない。胃袋には溜まるけど。(物理)

　１ヶ月もの間、僕が“食事”出来なくてもどうにか耐えてこられたのにはそう言うわけがあったってこと。

　ホントの意味で飢えと渇きから解放される瞬間はやっぱり人の血を頂いた時以外にはないんだ。


「と、いう事なんで、僕は貴女の血で十分お腹を満たせるんで、その首にちょこっと噛みつかせてください！」





とか言ったら究極にヤバいから絶対言えない。


耐えろ〜〜。耐えるんだぁ〜〜！ジミン！


　部屋に漂うおかゆの匂いと彼女の香りを腹一杯に吸い込んで、頂きたい衝動と葛藤していた。

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