こんな僕でも・・・が欲しい！

限界の果てに見たもの ページ7

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　今夜も空腹でフラフラと夜の街をよろけながら徘徊する。


「はぁ〜･･･もう限界だよぉ」


　なんで自力で“食事”相手探せない僕に「一人で頑張ってみろ」みたいな事言って獅子の子落とし的にほったらかすんだよ、あのヒョンはぁ！


　１か月もの間全くもって飲まず食わず･･･ってわけじゃないんだけど、血を摂ってないせいでさすがに僕の気力も体力も限界に達していた。


　当てもなく街中を彷徨い、朦朧とする意識のままどこかの道の角を曲がり……。
ついには人通りの少ない路地裏で倒れ込んでしまった。


「無理……。もう動けない」


横になったまま、建物の隙間から見える星が瞬く夜空を力なく見つめる。



　あーもう僕は死ぬのかな。

てか、ヴァンパイアは死なないんだけどね。



　ああ、せめて･･･せめて僕好みの女性が現れて、僕好みの味のする血をひと舐めして死にたかったな･･･。

あ、ひと舐めしたら復活するんだっけ。



　ああ、でも空腹でマジで死にそ……。

動物の血……無理無理！あんな匂いのくっさいヤツ、罰ゲームでも飲まないし！



　はぁ、でも背に腹は代えられないかなぁ。

いや、そこまで落ちぶれたくはない！だったら男の血のほうがずっといい！



　誰でもいいから僕の前を通る人に噛み付いてしまおうか。

それは明らかに犯罪行為だろうし、ヒョンに迷惑かけるから出来ないよなぁ……。




……矛盾だらけの不満と愚痴が走馬灯のように頭の中を駆け巡り、意識が徐々に遠退いていく。


「畜生･･･僕が死んだら化けて出てヒョンに憑りついてやる……」


今日も僕を“食事”に連れて行ってくれなかったユンギヒョンを恨みながら、目を閉じた。

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