こんな僕でも・・・が欲しい！

僕は若輩者 ページ25

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「ま、信じられない、よね……」

　僕から話を聞いても、未だ半信半疑って表情のAさん。

「じゃ、生き血を欲しがるっていうのは、本当……なんですか？」

　お、ついに核心に迫ってきた。

「それは事実です。血を摂らないと動けなくなります。死なないけど」
「え、もしかしてさっきまで顔色悪かったり、血が足りないって言ってたのは……」
「僕、ここ１か月くらい、全く血を摂ってなかったからです、はい」

　頭を掻いて上目遣いでAさんを見る。
　ん？僕の顔、じーっと見られてる？

「でも……今はちょっと顔色良くなってる」
「あぁ、それはさっきAさんの傷の血を舐めたからです。おかげで生き返りました！」
「あ、あれだけで？」
「はいっ！Aさんのおかげでこれから２週間くらいは頑張れます！」

　僕はニコッと笑って、全力で大丈夫アピールをした。

　不思議だよね。
僕も不思議。たった1滴で頑張れば２週間も動けるんだから、燃費いいよね。食費もかからないし。

　僕等って経済的！

　あ、でもこれ、僕だけの特技らしい。
ユンギヒョンはそんなの耐えられないって呆れてたもんなぁ。

「それと、さっきちょこっと舐めたAさんの指にできた傷、なくなってると思うんだけど、どうですか？」
「え？指？」

　Aさんは傷があった人差し指をジロジロ見て、ホントだ。って小声で呟いた。

　僕たちの性質上、頂いたお相手の傷をきちんと止血させてあげないと、いろいろ後が大変だからこんな特殊スキルが備わってるんだ。

「ちなみに、僕等に血を吸われたからってその人が吸血鬼になったりしないです。ヴァンパイアになるのはその血統の男だけ、らしいですから」
「らしい……って……」
「僕はまだ若い方のヴァンパイアで、まだ数十年くらいしか人生経験ないんで。今も勉強中だから知識もそこまで持ち合わせてないんですよ〜」
「数十年？で若い？」
「僕がお世話になってるヒョンはもう数百年、ヴァンパイアやってるベテランなんですけど、詳しい事を知りたいならご紹介しますよ？」
「数百年……でベテラン……」

　Aさんはぽかーんと口を開けてしまった。


　そりゃそうだよね。ヴァンパイアに新人とかベテランとか、普通に理解に苦しむよね。

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