美味しい匂いで目が覚めた ページ11
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僕がいる暗闇は柔らかくてとっても美味しそうな、甘い香りに包まれていた。
この香りは…………あの時、僕を見ていた女性の香り……？
どうしてこんなに強く香っているのか、意識を浮上させるのも怠い僕には理解できなかった。
ただ分かっている事は、その香りが僕の空腹をさらに刺激し、飢餓状態を作り出しているという危機的状況だって事。
だからこそ頂きたい。もの凄く。
この香りのする人の血をちょっとでいいからひと舐めしたい。
飢えに飢えた状態から体を動かすのは大変だ。
でも、この香りのする彼女を、何が何でもひと口頂きたいという激しい衝動が、限界をとっくに超え暗闇に落ちていた僕の意識を無理矢理引き戻し、動かした。
「う、んん……」
目をこじ開けると、あの甘い香りの充満する部屋に一人だった。
「え……？」
僕一人？
え？どうやってここにたどり着いたの？？
力が入らない体を漸く起こし、室内を見回すが人はいない。
強いて言うなら、少し離れた僕の背後に人の気配を感じるくらい。
「……あれぇ？」
ちょっとヤバくない？僕って夢遊病でもあるのかな？
この匂いをたどってこの部屋に着いたんだとしたら、不法侵入も甚だしいじゃないか！
さあっと血の気が引く。
別の意味で危機的状況を迎えていた僕が当惑しているところに、背後から女性の声がした。
「あの……大丈夫ですか？」
ビックリして振り返ると、ドアの陰に怯えた表情の女性が顔だけひょこっと覗かせて、
「具合いかがですか？」
僕を気遣う言葉をかけてくれた。
「……え」
嘘でしょ？
あの時の彼女？！
バチン！自分の頬を力いっぱいひっぱたくと結構いい音がした。
「いっ・・・てぇっ！」
「え！ちょっと？！」
自分のほっぺたなのに、加減を忘れてかなりの痛み。
でもよかった！夢じゃなかった！
そんな僕の様子を見て、彼女はあわあわし始めた。
「あ、ごめん。夢かと思って」
僕はピリピリと痛む頬をさすりながら、奇行の説明し始めた。
「え？夢？」
「助けられた夢を見た様な気がし」
ぐぅ〜〜〜〜〜〜っ
「っ！！」
「……？」
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あがしおん(プロフ) - syky1814さん» コメントありがとうございます。間もなくパス外して更新しますので、もうちょっとだけお待ち下さい〜。 (2020年6月13日 21時) (
レス) id: 4017986d72 (このIDを非表示/違反報告)
syky1814(プロフ) - はじめまして結婚してくださいのパスワードを教えてください。 (2020年6月13日 21時) (レス) id: 1e639eab67 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - kinanekoさん» コメントありがとうございます！何だかガッツポーズが見える気がしてきましたｗそんなに喜んでいただけると作者冥利に尽きます。ありがとうございます、ぼちぼちっと頑張ります♪ (2019年1月3日 22時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
kinaneko(プロフ) - あがしおんさんの新作を見つけた時、「来た……!!!!よっしゃ！」と思いました！今年もいろんな作品が見たいです！頑張ってください！応援しています！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: 6812edf24f (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - ARMY&CARATさん» 私の拙い作品を気に入っていただけて、ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります！ (2018年12月29日 2時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2018年12月25日 0時
