233 ページ33
SJ side
僕はゆっくり立ち上がった。
Aちゃんの正面に立ち、手を取ると導くように手を引いてAちゃんをベンチから立たせた。
そして向かい合わせでお互いの手を握る。
SJ「ねえ、Aちゃん、僕の話、最後まで聞いて欲しいんだ。――いい？」
そう、前置きした。
A「はい？わかりました……。」
キョトンとした、可愛らしいAちゃんを見つめる。
「初めは遠くからAちゃんを見てるだけで良かった。でも、それだけじゃ、僕の気持ちなんて届かない、それは分かってた。」
「ユンギたちに散々アプローチしろって言われても、昔の事がどこかにあって、進めなかった。
近づいたら、壊してしまいそうだったから。」
「結局、告白する事で、僕とAちゃんの上司と部下の関係を壊した。
僕が暴走したせいでAちゃんをたくさん困らせもした。」
「それでもAちゃんは僕に寄り添ってくれて、僕を助けてくれた。その時に確信したんだ。
――僕にはAちゃんしかいないって。
だから僕の気持ちがAちゃんに届いて、君のそばに居られる事、好きって言えることがとっても嬉しいんだ」
「僕は、僕とAちゃんが、出逢う運命で、そして結ばれる運命にしたいから。」
そう、僕は選ばれたいと願っている。
願うなら……、自分から近づこう。
自分の手で、運命を引き寄せよう。
A「え？ソクジンさ――」
僕は片膝をついた。
SJ「Aちゃん、僕が壊した分、頑張って直します。
でも、直せなかった分は、僕と一緒に作りませんか？
そして、壊れなかったものを一緒に大切にしませんか？」
ポケットからおもむろに取り出したケース。
開くと小さなケースに綺麗な石と共に可愛らしい花のモチーフの指輪が輝いている。
A「え、これ……。」
僕を見下ろす、Aちゃんの可愛らしい瞳からポロポロと涙がこぼれている。
SJ「もう遠回りしたくないから、返事は待たない。今ここで聞かせて？
……僕と、結婚してください。」
僕は、君……Aちゃんとともに幸せになりたいと、心から願っているから――。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 410人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あがしおん(プロフ) - 月花さん» こちらこそ、コメントありがとうございます！お気に召して頂けて嬉しい限りです！ (2019年7月9日 21時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - とっっってもステキなお話をありがとうございます！！！！ (2019年7月9日 19時) (レス) id: a3ccf12d58 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - TERUさん» やはりｗｗ自分では読み手さんを泣かせる意図はなかったんですけど、こんな拙いお話で号泣していただけるとは！ジンさんってこういう感じ？っていうのが伝わったのなら大満足です！ (2018年11月1日 21時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
TERU(プロフ) - そうです！昨夜から一気に読んで号泣です。主人公自分に置き換えて萌えたし、ジンさんならうん、たぶんそういうだろうな??ってツボりました。いい作品ありがとうございます (2018年11月1日 20時) (レス) id: 23215e75f2 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - TERUさん» コメントありがとうございます！目は腫れてませんか？寝不足になってませんか？もしかして一気読みされたんですか？ありがとうございます。お気に召していただけて嬉しいです！ (2018年11月1日 10時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あがしおん
| 作成日時：2018年6月8日 23時
