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SJ side
ダイニングテーブルに朝食が並んだ頃、ちょうど良くAちゃんが身支度を済ませてリビングへ来た。
すっぴんも可愛いかったな・・・。
Aちゃんって、化粧してもあんまり変わらないんだ。
元々可愛い顔してるもんね〜!
A「・・・から揚げ?」
SJ「僕、チキン大好きだから、買ってきた!」
ホントはAちゃんに僕の得意料理を振る舞いたかっただけなんだけど。
僕もこの辺に引っ越そうかな?って冗談半分に言ってみたけど、何とも中途半端な反応しか返ってこなくて・・・。
そこは何でもいいからツッコみが欲しかったよ?
Aちゃんに朝食を用意した理由を聞かれた。
SJ「一晩泊めてくれお礼。それから・・・口止め料…かな?」
A「何で口止め?なんですか?」
SJ「あんな恥ずかしいところ、見られちゃったから・・・。」
・・・お礼は本当。口止め料は…無理矢理だったかな。
ただ、Aちゃんだけが僕の秘密を知ってるんだよって思わせたかっただけなのかも。
はぁ・・・僕は卑怯だなぁ。
ちゃんとそう言えばいいのに。
どうしてこう・・・面倒な言い方しちゃったのかな。
…きっとAちゃんはユンギに問い詰められると話してしまうだろうな。
Aちゃんはユンギには弱いからね。最初はユンギの事が好きなのかって思うくらい仲がよかったし。
『俺がAを奪いますよ?』
…ユンギ、本気なのかな。
ユンギが相手とか・・・僕じゃ勝ち目ないよ。
あんなに自信たっぷりで堂々としてて。
僕にない
はぁ・・・Aちゃんを狙う男はいっぱいいるんだなぁ。
──── ── ─
A「主任…スーツ、昨日と一緒のまま…。」
朝食も済み、Aちゃんが出勤の準備をしてる時、僕がスーツに袖を通したらそんなことを言ったAちゃん。
SJ「ん?ああ、大丈夫。これからいったん家に戻って身支度して、ついでに外回りしてくるから。出勤は遅らせる!」
寝床を貸してくれただけでなく、服装の心配まで・・・。
当たり前な事でもちゃんと気に掛けてくれるんだよね。ホントに優しい子だ。
酔って甘えた僕を可愛いなんて言ってくれた。
子供みたいに泣いていてもそばに居て慰めてくれた。
僕の事、心配してくれた、叱ってくれた。
単純かも知れないけど
僕はAちゃんの、そういうところが好きなんだ。
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年5月12日 12時