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A「考えてみれば、すっぴん見られたんだよね……」
今だってご飯前だから化粧が途中なんだけど。
それって女としてどうなのよ。
……もっと恥じらってよ、私。
簡単な身支度を済ませて出てくると、ダイニングテーブルに並ぶ久しぶりの朝ご飯。
ご飯に汁物、焼き魚に卵焼き。そして何故か山盛りの──
A「……から揚げ？」
SJ「僕、チキン大好きだから、買ってきた！」
A「はぁ、どこから？」
SJ「近所の24時間スーパー。あれ便利だよね！いいなぁ！僕もこの辺に引っ越そうかな？」
A「……はぁ。」
確かにスーパーあるけど？わざわざ買いに出かけたってこと？
SJ「あ、外に出る時部屋のカギ借りたよ。ついでに洗面台も借りました！」
A「あ、そうですか……」
焼き魚と玉子はともかく、から揚げって…朝から重過ぎない？
しかもこれ、何人分あるのってくらい大量なんですけど…。
A「これ……何でですか？」
SJ「うん？一晩泊めてくれお礼。それから──」
A「それから？」
SJ「口止め料…かな？」
A「何で口止め？なんですか？」
SJ「あんな恥ずかしいところ、見られちゃったから……」
俯いて顔を赤くする主任。
ああ、あの可愛い所とか、泣き虫だった所とか…。
思い出してちょっとニヤける。
A「い、言いませんよ？こんな事しなくても！」
SJ「ほんとに？今、思い出してニヤけたよね？ユンギに詰め寄られても言わない自信ある？
あいつ、勘が異常に鋭いからね？」
確かに……。時々エスパーみたいな言動あるよね。
A「それは！
……無理かも……」
SJ「あははは！でしょ？
ま、ユンギやナムジュニくらいなら話しても大丈夫だよ。
さ、あったかいうちにどうぞ！」
A「いただきます……」
初めて食べた主任の手料理は、まるでお母さんの味のようで懐かしくてとっても美味しかった。
これは……胃袋掴まれそう。
A「──美味しい。」
一人暮らし始めてほとんど一人の朝だったから、誰かと食べる朝ご飯がこんなにあったかいものだったと改めて感じた。
SJ「よかった。お口に合うようで…。
あ、から揚げは残ったらお昼のお弁当のおかずでもいいし、夜ご飯のお供にしてもいいよ！」
A「ありがとうございます……」
お言葉に甘えて、残ったから揚げは冷凍させてもらうことにした。
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2018年5月12日 12時
