好きな人は遠きにありて愛でるもの (ページ37)

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A「へぇ～！……にしても奥手過ぎません？主任。」

NJ「そうだね。でも、あとでわかったんだけど、その先輩ね、他に付き合ってる人がいたらしくて、ジニヒョンはそれを知ってて片思いしてたんだ。」

A「え……。」

NJ「だから俺たちがどんなに手助けしても、仲が深まっても何も伝えなかったんだ。」
A「そんな……」

NJ「そのうちに女性は当時付き合ってた男性とは別れて、別の男性と結婚して寿退社。もし、ジニヒョンが告白していれば今頃はジニヒョンと一緒になってたんじゃないかな、その人。」

A「別れたんなら、告白してもよかったんじゃないんですか？
どうして伝えなかったんでしょう？」
NJ「さあね……俺たちも聞いてみたんだけど、苦笑いされてはぐらかされた。
だから知らないんだ。」

主任の恋バナは……苦い悲恋の話だった。

A「課長は……どうしてそんな話を私に？」
NJ「あはは。どうしてだろうね。
俺がジニヒョンの味方だから……
ジニヒョンの事、応援したいからかな？

あ、ジニヒョンにはこの話したことは秘密ね？」

人差し指でしぃっとして見せ、ウィンクした課長。

やば……可愛かった……。

二人でたくさんの書類を抱えて保管庫を後にした。

そんなに奥手な主任がどうして私に告白してきたんだろう……。

課長の話を聞いて、そんなことが気になり始めていた。

NJ「あ、そうだ。今日外回りから戻ってきたジニヒョンの顔見る余裕あった？」
A「いえ……。」

くすくす笑いながら

NJ「ヒョン、白のデスクでAちゃん見ながら百面相してたよｗｗｗ」
A「ええ？！私を？？」

アルパカのぬいぐるみ抱いて悶々としてる姿を想像して、

A「――ぶっ！ｗｗ」

思わず吹き出してしまった。