好きな人は遠きにありて愛でるもの (ページ24)

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SJ side

ようやく二人きりになれた。

酒に弱いメンツが多くて良かった。

ナムジュンはホソクとセットでいれば気分よく飲んでくれるし、テヒョンとジミンには悪いけど、強めの酒で早めに戦線離脱してもらった。

ユンギも気を利かせて帰ってったし、あの時邪魔された言葉の続きを言えるチャンスがもう１度回ってきた事に心底感謝した。

……ジョングクの事が気にはなるけど。

みんなと解散した後、居酒屋で飲み直すことになったものの、どうもさっきからAちゃんの様子がおかしい。

何か考え事をしてるようだけど……。

そのコロコロと変わる表情を見ていられるのも楽しいけどね。

SJ「Aちゃん？どうしたの？表情がコロコロ変わって面白いんだけど？」

僕が顔を近づけて話しかけると逃げるように距離を取る。

テーブルに置いていた手をとっさに握るとぴたりと動きが止まった。

……お酒のせい？顔が赤くなってる。

それともあの店で僕が言った言葉がきっかけで、僕を意識してくれているのかな……。

A「今日はどうしちゃったんですか？ジョングク君といい、主任といい……」

ジョングク？やっぱりあいつに何か言われたのか？

SJ「聞かせて？何があったの？」

A「えと……さっきのお店でその……告白されて……」

一瞬で頭が真っ白になった。

SJ「(あんの野郎っ！)」

小さく漏れた僕の本音。

後輩に先を越されたのが腹立たしかった。
問題を先送りにしていた自分自身が腹立たしかった。

真っ暗な道にぽつぽつと薄暗い街灯が灯る道を無心で歩いていた。

しばらくすると、少しづつ冷静さが戻ってきた。

今、僕は何をしているんだろう？

確かAちゃんと一緒に居酒屋に入ってそれから……、

A「主任！ソクジン主任！痛いっ……」

Aちゃんの声で我に返った。

声のした方を振り向いて、その細い体を自分の胸に引き寄せる。
僕はいつの間にかAちゃんを抱きしめていた。

SJ「ごめん……。」

そうだ……僕はAちゃんからジョングギから告白されたって聞いて、すぐに居酒屋を出たんだ……。