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JK side
入社して半年が経った。
俺には片思いしている女性がいる。
2年先輩のAヌナ。
あ、まだ本人には俺がヌナ呼びしてることは内緒にしてるから、表向きは“Aさん”。
人見知りが激しい俺にも他の先輩方と分け隔てなく接してくれる。
顔がいいからってだけで、いろんな女の人が寄ってきたけど、どの人も俺の中身を見てはくれていない。
だから、女の人は苦手だ。そのせいで人見知りにも拍車がかかる。
けど……Aヌナは違った。
俺の人見知りな性格を心配をして、外回りの後はいつも言葉を掛けてくれる。
大抵話の中身は俺がちゃんとクライアントと会話が成立しているかとか、書類作りの手伝いがあればってことなんだけど…。
何かを強要するでもなく、すり寄ってくるでもなく、距離感を保って接してくれているところに好感を覚えた。
しばらく警戒して観察していたけれど、身長が低めで、少し幼く見えるその風貌と笑顔が可愛らしくて、気が付いたら好きになっていた。
――それからもう1つ、観察していて気づいたことがある。
ヌナは気づいていないようだけど、あの人も……Aヌナを見る目が違うんだ。
だから、揺さぶりをかけてみよう。
あの人は、Aヌナをどう思っているのか。
意外にも、そのチャンスは早く訪れた。
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作者名:あがしおん | 作成日時:2018年5月6日 22時