好きな人は遠きにありて愛でるもの (ページ9)

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SJ side

「しまった……無意識で頭撫でちゃってたよ……。」

アルパカのぬいぐるみに顔を埋め、さっきの自分の行動を思い出し、恥ずかしくなる。

くそう……どうしてこうなった？

……やっぱりあんな事言われたからだろうな……。

　
＿＿＿＿＿＿

くじ引きで今月の親睦会の幹事に任命された僕とAちゃん。

A「よろしくお願いします、主任。」

滅多にないレアな組み合わせに僕は、内心、喜びで浮ついていた。

……そろそろ僕の事もみんなと同じようにもっとフランクに接してもらいたいな……。
僕に対していつもよそよそしくて……。

Aちゃんにとって、僕はいつまで経ってもただの上司なんだろうな……。

そういう僕はAちゃんが好きだ。

……もちろん、異性として、恋愛対象として。

うちの課に配属になって初顔合わせに来た日、ひと目見た時からずっと気になっていた。

そんな後輩にただいま絶賛片思い中。

僕は遠くで見てるだけで良かったんだけど、ユンギがいい加減アタックしろとうるさいんだ…………。

部下に気があるなんて、僕はおかしいんだろうか。

否！恋愛に上下とか関係ない！

　

　

……と、思いたい。

僕だけじゃない、ユンギもホソクもナムジュンも……言ったらうちの課の男性陣はみんなAちゃんが好き。

どういう意味合いの『好き』かは別として。

男ばかりのうちの課に配属された紅一点のAちゃん。
最初はみんな女性に慣れてなくて緊張でぎくしゃくしてた。

仲良くしたいけど、打ち解けるきっかけがなくて困っていたんだ……。

そういう空気を変えようと、うちの課だけで制定されたのが『月イチ親睦会』だ。
文字通り、月に１回、みんなで食事したり、お酒を飲んだりしてAちゃんと親睦を深める……。

それが目的だった。

それが功を奏し、今ではみんなとすっかり打ち解けて、良き仲間となってくれた。

目的は達せられたけど、みんなのガス抜きとして今でも続けている。

……最近は可愛いマンネのジョングクと打ち解けるための親睦会になりつつあるけど。