〜利器〜 4 ページ47
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ひたすら掃除に勤しんで、全ての部屋……と言ってもたったの五部屋しかないが、全室掃除を終わらせた頃には明け方を迎えていた。
慣れない事をして疲れ切っていた俺は、屋敷の寝室には戻らず、掃除を終えたばかりの硬い床に小さくなって眠り込んでいた。
『ユンギ……』
暗闇に聞こえる声。夢の中にAの香りがする。
あぁ、美味そうな匂い。俺の妻はホント、美味そうな匂いしてんなぁ……。
掃除なんて慣れないことをしたせいで、腹が減っていた俺は、夢の中のAの香りに食欲を掻き立てられていた。
『ユンギ、起きて?』
『お風呂沸いたよ?』
あぁ、そうだ。風呂、入りたかったんだったよな……。
肩を小さく揺さぶられ、自分の当初の目的を夢の中でぼんやりと思い出していた。
「……え?……ふ、ろ?」
現実味があり過ぎる会話に、違和感というか疑問というか。
「うん、お風呂、湧いてるから入っておいで?」
眠気で鈍る意識を呼び起こしたのは、小さくしゃがみ込んで俺の顔を覗き込む、現実のAの甘い香りと優しい声だった。
「な、何で……ここに……?」
「何でって……チェヨンちゃんが青い顔して、ユンギ様が倒れてるー!なんて騒いでたから心配で見に来たの」
「いや、倒れてるっていうか、疲れて寝てただけで」
「そういう誤解、そもそもはユンギがベッドにいなかったから起こったんでしょ?」
「まあ、それはそうだろうけど……」
「チェヨンちゃんには、あとは私がするからって言ってお屋敷に戻ってもらったから」
「それよりお前今、風呂って……」
「ん?ここに来たらユンギが寝言で風呂入りたいー!ってずっと言ってたから」
「………………」
どんだけ風呂入りたかったんだ?俺は。
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あがしおん(プロフ) - かなこさん» コメントありがとうございます!ドキドキ&しっとりとした雰囲気を暫しお楽しみください♪ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - こんな僕でも…を読み返そうかなと思っていたらまさかのユンギ verの連載が始まっててすぐ読みました(*^^*)こっちのお話もドキドキさせてもらってます(〃ω〃) (2019年7月2日 23時) (レス) id: 9abaeb2ac4 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» コメントありがとうです!あぁっ!心臓大丈夫ですかっ?!男前ユンギさんが描けてるなら、もう作者いうことないです! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - たきゆさん» コメントありがとうございます! ええ、切ねぇです。正直切ねぇです。切ねぇですが!ボチボチゆるっと更新をお待ちいただけたらなぁ、と! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - ユンギがぁ〜男前過ぎて、心臓が痛いです!! (2019年6月25日 21時) (レス) id: 3d660c888b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あがしおん | 作成日時:2019年6月5日 21時