〜新居〜 5 ページ41
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ドアを開けると白い壁に柔らかく反射する日の光に軽く目がくらみ、真新しい木の匂いが鼻を擽る。
ラベンダー柄の白い壁囲まれ、クリーム色のカーテンが風に揺れる広い部屋。
一人掛けの白いシンプルなソファが二脚、硝子のテーブルを挟んで向かい合って鎮座し、傍には控え目な金の装飾が施された白いドレッサーと白い革張りのスツール、飾り彫りがなされた白いタンスとクローゼット、そしてドレッサーとお揃いのデザインの、A曰く『お姫様のベッド』が天蓋の下で主を待っていた。
ハユンの目を気にしつつユリはきょろきょろ部屋を見渡し、お望みのベッドに飛び込みたい気持ちを必死に堪えながらキラキラした目をさせて俺に子供の様な笑顔を見せた。
「こういう部屋、憧れだったの!」
「お気に召していただけて何より」
「ふふっ!あ、私の荷物は?」
「荷物はあらかた片付いてるから、何が何処にあるか、後でメイド達から聞いて確認しとけ」
何から何まで。と礼を言ってメイドに深々と頭を下げ、逆にメイド達に恐縮されるAだった。
部屋をあちこち一通り見て回り、ようやく落ち着いたのが昼をとっくに過ぎた頃。
腹が減ったろう、と庭のテラスに佇むAの背中に声を掛けた。
「……ねえ、ユンギ」
「ん?どうした?」
「ホントに私で良かったの?」
その声はさっきまでの子供みたいにはしゃぎ回っていた、張りのある声ではなかった。
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あがしおん(プロフ) - かなこさん» コメントありがとうございます!ドキドキ&しっとりとした雰囲気を暫しお楽しみください♪ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - こんな僕でも…を読み返そうかなと思っていたらまさかのユンギ verの連載が始まっててすぐ読みました(*^^*)こっちのお話もドキドキさせてもらってます(〃ω〃) (2019年7月2日 23時) (レス) id: 9abaeb2ac4 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» コメントありがとうです!あぁっ!心臓大丈夫ですかっ?!男前ユンギさんが描けてるなら、もう作者いうことないです! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - たきゆさん» コメントありがとうございます! ええ、切ねぇです。正直切ねぇです。切ねぇですが!ボチボチゆるっと更新をお待ちいただけたらなぁ、と! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 00967bc65a (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - ユンギがぁ〜男前過ぎて、心臓が痛いです!! (2019年6月25日 21時) (レス) id: 3d660c888b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あがしおん | 作成日時:2019年6月5日 21時