第七話 天才の本領発揮 ページ10
――イライザとの勝負の日――
普段通りディーラーとしての仕事をこなす小泉。
すると、客たちが騒がしくなってきた。
「ちょっと!道を開けて頂戴。天才サマに呼ばれてるのよ!」
金髪の長い髪を高く一つにまとめ、赤く派手なロングドレスに、歩くたび揺れる大きな宝石のアクセサリー。
「いらっしゃいませ!イライザ様。わざわざ遠方からありがとうございます」
「いいわよ。別に」
「さあ、どうぞこちらへ」
怖いくらいに満面の笑みで接客する彼女の眼に、ハイライトは存在しなかった。
空いているポーカー台にイライザを案内し、席に座る。
前回の太宰戦のように、ディーラーは店長が務めるのだ。
「今日は、お客様が得意なゲヱムで勝負しましょう」
「フン……余裕そうで何よりだわ」
「勝負であっても楽しまなくては」
ニコニコと笑みを絶やさない小泉は、足を組み頬杖をついてイライザに返答を促す。
「さあ、どうなされますか?」
「……テキサス・ホールデム」
「いいですね!最後までどうなるか分からない、スリルのあるゲヱムです」
テキサス・ホールデムとは、ポーカーの一種である。
各プレイヤーに手札が二枚ずつ配られ、机の上に置かれる計五枚のカードと組み合わせて役を作る。
役の強い方の勝利だ。
「さて、今回の賭けの商品ですが……」
目を細め、口角を上げ、
歪んだ笑顔を見せる其れ。
「お互いのカジノの経営権、なんていかがでしょう?」
途端にざわめきだす客達。
涼しい顔をする店長に、
困惑と余裕の笑顔を見せるイライザ。
「……それは、貴方が負けたらこのカジノは私のモノになるということ?」
「ええ!もちろんです。さあ、どうしますか?お客様」
ふふっ。と一つ笑みをこぼして彼女はこういった。
「参加するに決まってるじゃないの」
「お手柔らかに、お願いしますね?」
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福良雀(プロフ) - 孔雀さん» コメントありがとうございます!!夏休みですので一気に更新できるように頑張ります!!! (2021年7月26日 16時) (レス) id: b6ee0e20db (このIDを非表示/違反報告)
孔雀(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3ff2a4c3bb (このIDを非表示/違反報告)
福良雀(プロフ) - 琥珀さん» ありがとうございます!!思わず奇声を発するほど嬉しいです本当にありがとうございます!!!これからもよろしくお願いします!更新頑張ります!! (2021年3月6日 5時) (レス) id: b6ee0e20db (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 読んですぐハマりました…何回も読み返してます!更新楽しみにしてます (2021年3月4日 20時) (レス) id: 89e4bffd75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:福良雀 | 作成日時:2020年12月6日 18時