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第四話 彼女 ページ7

ふわり。
帽子からこぼれた腰までの長い髪。
軽くウェーブがかかっており、深い夜空の色だった。

首を振り、手櫛で整える。


「――-なんか悪い?」


ぎろりと太宰を睨みつける彼女(・・)


「いやぁ……男だと思い込んでいたから、ね」

「今まで頑な(かたくな)に家に入れなかった理由は此れだよバーカ」

「口悪いね???」

「眼鏡かけてやろうか」

「其れは駄目」


コントのような会話が続き、二人はリビングで向かい合って座る。
ずず……とコーヒーを啜る音が響き、目が合う。


「それで、何の話?」

「実はね、彼が行方不明なのだよ」

「――ッ?」


差し出された写真には、恰幅(かっぷく)のいい男の姿が。
小泉は、その男に見覚えがあるらしく、一瞬動揺した。


「心当たりがあるみたいだけど……話してくれないかな?」

「……うん、ちょっと待って。整理する」


そういうと、彼女はしばらく黙り込む。
そして、ゆっくりと口を開いた。


「その人は、カジノ荒らしで有名な人。イカサマしてたけど、お店側に大金を積んで口止めするような奴だから……恨んでる人は多いはず」

「その中に、勝利に執着してる人物……勝つためなら何でもするような奴はいるかい?」

「――いる、かな。イライザっていう女が多分そう。(わたし)の見てきた中でも一番諦めが悪い」

「そいつの居場所は?」

「……外国。」


そうか、ありがとう。とだけいい、立ち上がり帰ろうとする太宰。


「待って。」

「どうしたんだい?」

「私も協力する、から」


乗り掛かった舟だし、と付け足す小泉。
その言葉に太宰は目を丸くするが、笑みを浮かべ、一言言って静かに家を出て行った。




「ありがとう」

第五話 作戦会議→←小泉八雲の真実



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福良雀(プロフ) - 孔雀さん» コメントありがとうございます!!夏休みですので一気に更新できるように頑張ります!!! (2021年7月26日 16時) (レス) id: b6ee0e20db (このIDを非表示/違反報告)
孔雀(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3ff2a4c3bb (このIDを非表示/違反報告)
福良雀(プロフ) - 琥珀さん» ありがとうございます!!思わず奇声を発するほど嬉しいです本当にありがとうございます!!!これからもよろしくお願いします!更新頑張ります!! (2021年3月6日 5時) (レス) id: b6ee0e20db (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 読んですぐハマりました…何回も読み返してます!更新楽しみにしてます (2021年3月4日 20時) (レス) id: 89e4bffd75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:福良雀 | 作成日時:2020年12月6日 18時

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