第一話 小泉八雲という人間 ページ3
――カジノ《Drosera Peltata》――
午後八時
「――やぁ、天才ディーラーさん」
ポーカーテーブルを離れていった客。
其の後を追うようにして席に着いたのは、太宰だった。
「……お客様、失礼ですがチップはお持ちで?」
「いや?」
其の返事に、一瞬空気が凍りついた。
此の世界的に有名なディーラーを前に、賭ける気はないと言っているのか、と。
其れは、一種の冒涜とも言えた。
「――ではお客様、
ざわつく場内。
そのざわつきは、あの天才ディーラーから勝負を仕掛けられるなんて羨ましい、と思っているものが大半だった。
「私が勝ちましたらお客様にはお引き取りを。お客様が勝ちましたら貴方様の望むものを。」
「……そんなに嫌われているなんて、残念だねぇ」
「チップも持たない方にご用はありません」
二人は向き合いながら静かに笑う。
その異様な雰囲気に、他の客も圧倒されていた。
しかし、その客たちも、次第に二人の勝負を見せ物のように覗いていた。
「では、今回のポーカーは古式よろしくといきましょう」
「クローズド・ポーカーかな?」
「ええ。今回は単純に――
――手札をそれぞれ五枚ずつ配り、残りの札を山札とします。
自分の手札を確認し、一回目の
そして、手札を二回まで交換。そこで二回目の賭け。
――最後にショーダウン。勝敗は役の強さで」
「嗚呼、構わないよ」
では。其の声で始まった二人の勝負。
ディーラーを務めるのはこのカジノの店長である。
天才ディーラー対謎の訪問者
この戦いの勝者は――
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福良雀(プロフ) - 孔雀さん» コメントありがとうございます!!夏休みですので一気に更新できるように頑張ります!!! (2021年7月26日 16時) (レス) id: b6ee0e20db (このIDを非表示/違反報告)
孔雀(プロフ) - とても面白いです!続きが楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3ff2a4c3bb (このIDを非表示/違反報告)
福良雀(プロフ) - 琥珀さん» ありがとうございます!!思わず奇声を発するほど嬉しいです本当にありがとうございます!!!これからもよろしくお願いします!更新頑張ります!! (2021年3月6日 5時) (レス) id: b6ee0e20db (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 読んですぐハマりました…何回も読み返してます!更新楽しみにしてます (2021年3月4日 20時) (レス) id: 89e4bffd75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:福良雀 | 作成日時:2020年12月6日 18時