おかえり〈桐生戦兎〉(虚勢の続き)* ページ14
戦兎が帰ってきた。
マスター、もといエボルトにとり憑かれていた戦兎が、帰ってきた。
なのに。
｢君は誰だ？｣
その言葉は私の胸に突き刺さった。
＊＊＊＊＊＊
万丈と美空が戦兎をちらりと見て深いため息をつく。
それもそのはず、目の前の戦兎の姿をした男はもはや桐生戦兎ではないのだ。
｢おい、あいつは？｣
｢私が知るわけないじゃん。あれから一切来てないんだから｣
だよな…と言い、またため息をつく。
『君は誰だ？』
戦兎…いや、葛城巧がAに発した言葉は、想像以上の破壊力だったらしい。
いつも通り店に来たAを、言い訳するなりして店に入れるべきではなかった。
だがその後悔も後の祭。
Aは塞ぎこんでしまい、丸一日姿を見せていない。
｢家に押し掛けるにも場所なんて知らねえし、そもそも押し掛けてそれからどうすんだよって話だしな…｣
Aは戦兎を友達として心から愛していた。その戦兎の顔で、誰だと聞かれたのだ。葛城巧に会わせても逆効果にしかならないだろう。
そしてその問題の葛城巧はパソコンとずっと睨み合っている。
｢そういえば、かずみんは？｣
＊＊＊＊＊＊
猿渡一海、通称かずみん。先の戦争のことで、Aに苦手視をされてしまっている北都の仮面ライダーだ。
戦兎のこと、そして何よりAのことですっかり消沈してしまっている空気の中、どこか居心地が悪く散歩をしている。
(俺がいたら余計あいつが来にくくなる)
Aにあまりいい印象を持たれてはいないということを知っている一海の、ちょっとした親切心。
そして、目の前にいたのにどうにかしてやれなかったという責任感。
｢みーたんもそうとう落ち込んでるしどうにかしてやりてえけど、俺には…｣
そう呟いたとき、視界の端に憂いの原因の姿を捕らえた。
そちらに目を向ければ、戦争の痕である瓦礫をぼーっと眺めて突っ立っている。
｢…何してんだ？｣
何分がその様子を見守り、少し躊躇った後、静かにAに近づいていった。
(俺の方こそ何してんだろうな…)
Aのことはよく知らない。顔を合わせれば気まずくなる。
そんな相手に話しかけたところで、何になるのだろうか。
けれどみーたんを励ます方法がこれしかない。
大好きなみーたんのためだと自分に言い聞かせ、悶々とした思いを振り払う。
｢私の家ね、あそこにあったんだ｣
あと数歩のところで、Aが言葉を発した。
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デリート(プロフ) - クリオネf。tさん» 了解です！書いたことがないので上手くできるかわかりませんが、頑張ります！ (2019年3月24日 2時) (
レス) id: 94669fbf54 (このIDを非表示/違反報告)
クリオネf。t - 永夢君がお相手で女攻めとか大丈夫ですか？無理ならそれでいいので！ (2019年3月24日 1時) (レス) id: fe04442c66 (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 永流/Eruさん» ありがとうございます。どうかなーと思いながら書いていたので、そう言っていただけると嬉しいです。 (2019年2月8日 22時) (レス) id: 94669fbf54 (このIDを非表示/違反報告)
永流/Eru(プロフ) - ビルド感動しました。切ない終わり方メッチャ好きです。m(._.)m (2019年2月4日 0時) (レス) id: d36ee27f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年2月19日 1時
