代わり？〈パラド〉 ページ11
｢こんちは永夢！｣
｢こんにちは、Aさん｣
久しぶりに会う私の幼馴染みは、こけながら私を出迎えてくれる。
｢ほんとどじっ子だねえ。あんた年上にはモテるよ絶対｣
手をかして立ち上がった永夢は微妙そうな顔で私を見る。
まあ当然の反応だろう。どじっ子と言われて嬉しい男はいない。
｢あんた本当に性格変わったね｣
そう言うと、そうですか？と首をかしげる永夢にゲーム機を渡す。
｢変わった。あんたもっとやんちゃなイメージあったけど…｣
今は落ち着いている。
勉強も真面目に頑張って研修生にはなれたようだし。
｢お仕事終わったら久々にゲームしようよ｣
ぼけーっとしている永夢からゲーム機を取り上げる。さすがに仕事中に遊ぼうとは思わない。
｢はい！｣
ゲームと聞くと子供のように笑う永夢の背中をばんばん叩いて病院の外に出た。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊
本当に永夢は変わった。
人に敬語を使うような奴じゃなかったし、私のことも呼び捨てだったのに。
｢やっぱしばらく会ってないと距離感変わるもんだなあ｣
ベンチに座って足をぶらぶらさせながら呟く。
昔私達は家が近所で、よく一緒に遊んでいた。
お互い楽しく遊んでいたし、特にこれといった喧嘩もしたことがなかった。
が、私が親の転勤で引っ越すことになり、それから全く会わなくなってしまったのだ。
最近になってようやく連絡がついて、久々に会おうかという話になり今に至る。
永夢の仕事が終わるまでの暇をもてあましていると、突然誰かに話しかけられた。
｢誰を待ってるんだ？｣
｢…誰？｣
声の主である男性はにこにこして立っている。
｢俺はパラド。お前はAだろ？｣
何故か私の名前を知っているようだ。
名乗りついでに私の名前を呼ぶ。
怪しい。怪しすぎる。
私なんてストーカーしても何の得もないだろう。それが余計に怪しさを際立たせる。
私がじいっと見つめていると、どこからかゲーム機を取り出した。
｢ゲームやらないか？｣
｢やる｣
怪しいと思ったそばから相手の謎の誘いに乗ってしまう。
(似てる)
昔の永夢と。
楽しそうにボタンを叩くところなんて、永夢そっくりだ。
顔が似ているわけじゃない。雰囲気だって違う。
｢うわ、負けた｣
考えながら画面を見ていると、パラドの操作するキャラクターにゲームオーバーにされてしまった。
｢強いね｣
｢お前は弱くなったんじゃないか？｣
こちらは誉めたのに遠回しに弱いと言われた。腹が立つ。
｢…ん？｣
今、弱く"なった"って…
はっとして隣を見ると、パラドは笑っていた。
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デリート(プロフ) - クリオネf。tさん» 了解です！書いたことがないので上手くできるかわかりませんが、頑張ります！ (2019年3月24日 2時) (
レス) id: 94669fbf54 (このIDを非表示/違反報告)
クリオネf。t - 永夢君がお相手で女攻めとか大丈夫ですか？無理ならそれでいいので！ (2019年3月24日 1時) (レス) id: fe04442c66 (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 永流/Eruさん» ありがとうございます。どうかなーと思いながら書いていたので、そう言っていただけると嬉しいです。 (2019年2月8日 22時) (レス) id: 94669fbf54 (このIDを非表示/違反報告)
永流/Eru(プロフ) - ビルド感動しました。切ない終わり方メッチャ好きです。m(._.)m (2019年2月4日 0時) (レス) id: d36ee27f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年2月19日 1時
