番外編67話 ページ8
乗り物が大好きな少年ヒロの好奇心を煽る。
「港の船とか見に行けば？」
「ママが港に行っちゃダメって」
この街の港は漁港と商業目的の運搬が主である。
観光目的の使用はなく、大きなトレーラーが行きかう子供には危険なエリア。
治安も良いとは言えない。
親が立ち入りを禁止するのも当たり前なのである。
「ふうん、ぼくはこの間行って来たけど」
「え？お兄ちゃん、港に行ったの？船、船はあった？？」
「工事用の船が何隻も停泊していたよ」
いいなぁと羨ましがる。
子供を引き寄せるのは好きなものを目の前にぶら下げればいい。
「クレーンが付いている大きな船があってね」
「わぁ！」
悪魔のささやき。
「見に行く？」
「行きたいけど……」
「内緒で行っちゃおうか？」
「行く！」
「小さな声で話そう、聞かれたら見に行けないよ？行っちゃダメな場所なんだからね」
周りを見渡したヒロは大きく頷く。
「いつ見に連れて行ってくれる？これから？今？」
「そうだね、明日にしようか？」
「えぇ〜！」
「だって内緒で行くんだろう？明日は図書館が休みだろう？僕も勉強がお休みだしね、第一今から二人で一緒に図書館から歩いて行ったらどこ行くの？ってなるでしょう？」
間違いなく図書館職員のリナに二人でどこにいくのかと質問されるだろう。
隠れて二人で冒険に出かけるなら明日がいい。
「そっか！明日がいいね！」
「待ち合わせをしようか。港前の倉庫があるんだ。そこの前に倉庫の番号は……」
「うん！」
嬉しそうに笑う。
小峰の心は痛みを感じなかった。
反対に楽しい衝動に浮かれている。
「明日、朝の10時だよ」
「わかった」
この後小峰は宇木に連絡を入れた。
貢物を渡すと。
翌日の朝10時、小峰は自宅にいた。
母親が額に手を置いている。
「熱はないみたい。毎日、勉強を頑張っていたから疲れたのね」
朝、不調を訴えた小峰。
自室で安静をとっていた。
「今日は図書館もお休みだからあなたもお休みしてなさいね」
「はい」
部屋から母が出て行く。
枕元に置いていた携帯電話が震えた。
メールが受信される。
『捕獲終了・宇木』
貢物は悪魔の手に渡った。
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むつき(プロフ) - ｒｉｏさん» そうですね、まさちゃんと皆が出会えて本当に良かったです。どんなに傷を抱えていても前を向いて歩んで行けるはず！読んでくれてありがとう！ (2017年7月12日 22時) (
レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はぴともさん» はぴともさん……大好きって告白されちゃった。いや違う違う(笑)兄弟たちを大好きになってくれて感謝です！ (2017年7月12日 22時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - のんさん» お兄ちゃんたちの優しさが弟の愛が雅ちゃんの心を開いたのでしょう。二人ともやっと助け出されましたよ！ (2017年7月12日 22時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 沙羅さん» まーくんがしゃべりましたよーーー。和ちゃんもご機嫌です。小さくても兄弟たちは共に助け合います！ (2017年7月12日 22時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
ｒｉｏ(プロフ) - 泣いちゃいました。まーくんがしゃべった。隠し事してる最中だけど、気を許せて少しでも心開ける人たちに出会えて良かった。怖いのに最後までまだ出てこない潤くんのことも想って生きることを諦めないでいてくれて、智君が読者の代わりに制裁してくれました！流石長男 (2017年7月12日 18時) (レス) id: bfae0dae1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2016年10月23日 0時
