番外編59話 ページ50
坂本が日本まで追ってきた誘拐犯がこの町にいる？う
そんな人物が子供たちのそばにいると思うと不安な気持ちが頭の中を支配した。
「誘拐して売り払うって……人じゃねぇな」
「あいつを追い詰める証拠を何としてでも手に入れたい」
「俺が協力する。坂本さんの情報屋になってやる」
こう見えて人脈もあると胸を叩く。
「例え少しでもあの子たちに危険を近づけたくない。誰が狙われるかわからないんだろう？あの子たちが狙われるかもしれない」
「……助かるよ。こっちの伝手があまりなくて」
「秘密は厳守するよ」
「ありがとう」
「……その誘拐犯の名前は……宇木、宇木恭介。日系三世」
「宇木……」
同じ日本人の血が流れていると思うと虫唾が走ると井ノ原は坂本に手を差し出した。
「ん？」
「煙草……1本もらえるか？吸いたい気分だ」
スッとマスターの長野が灰皿を差し出す。
「禁煙は失敗したね」
「してねーよ。これ一本でもう吸わねーつうの」
煙草に火をつけて深く吸うとすぐに火を消す。
口から煙が吐き出された。
「もういいのか？」
「ひと口で十分」
さてと坂本の顔を見直す。
「宇木の事を調べてみるよ。他に当たって欲しい事はある？」
「去年も宇木は来日したらしい。その時もこの町に滞在していた」
「その期間に子供がいなくなっている？」
「奴が在日した期間に一人……行方不明者が出ている」
関連があるかどうか調査中らしい。
「井ノ原さんには聞きづらいだろうけどその子は……」
児童施設で暮らしていた。
もし宇木が施設や子供に接触していたと証明されたなら、子供は連れ去られたことになる。
ただ、今年の春にその施設は閉鎖された。
失踪当時を知る職員たちとコンタクトをとる必要があった。
「何人かは所在を突き止めて聞き取りが出来た。けれどいい情報はなかった。その子供の担当だった職員の会えたら何か知っているかも知れないんだ」
職員の行方が判らない。
井ノ原は消した煙草にもう一度火をつける。
深く吸いこんですぐに火を消す。
失踪した子供は児童施設にいた？
誘拐されたかもしれない？
智たちの顔が浮かんでやりきれない気持ちになる。
「……そこら辺も調べてみるよ」
もう煙草を吸わない様に灰皿を下げてくれとカウンターの中に声をかける。
「何かわかったら坂本さんに連絡する」
「ありがとう」
頼もしい味方が出来た坂本の存在に事件が動き近づいてくるような予感がした。
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ゆきんこ。(プロフ) - ずっとずっと、この作品を、むつきさんを探していました。前に1度むつきさんのお話を読んだ時にお気に入り設定をしたのですが、そのアカウントがログインできなくなってしまい(記憶力のせい)新しいアカウントを作ってから探し続けてたんです！見つけられてよかった。 (2016年9月16日 23時) (
レス) id: cf8d713ce4 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - やみぃ〜さん» コメントありがとうございます。予定より壮大になっております！頑張りますので見守っていてくださいね！ (2016年9月16日 21時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はぴともさん» お返事遅れました。そして更新も遅れましてです（汗）一波乱の臭いプンプンでご披露させて頂きます！ (2016年9月16日 21時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
やみぃ〜(プロフ) - ありがとうございます。意外と壮大な話で申し訳ないです。でも応援しています。 (2016年9月7日 23時) (レス) id: 571eda6b98 (このIDを非表示/違反報告)
はぴとも(プロフ) - むつきさん更新ありがとぉ＼(^o^)／なにやらまた一波乱ありそうですね。スッゴい楽しみです。 (2016年9月7日 22時) (レス) id: d2f048c3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2016年4月20日 21時
