番外編32話 ページ23
部屋に入ると大の字に寝転ぶ准一。
和也がハイハイで近づいてきてペチペチと准一の顔を触る。
元気のない准一に和也なりの元気づけ。
「よいせっと」
和也の両脇に手を入れ抱き上げる。
足をバタバタと動かす姿に准一は笑った。
「悩んでもあかんな。うん、話すわ。聞いてよ」
和也を雅紀に渡すと深呼吸。
「おれ、天涯孤独じゃなくなった」
准一の両親は交通事故で亡くなった。
居眠りをした大型トラックが前方を走っていた准一たち一家の乗用車に後部から激突したのだ。
乗用車は衝突の衝撃で横転。
後部座席に座っていた母親は即死。
父親も打ち所が悪く病院に運ばれるが亡くなった。
助手席のチャイルドシートに乗っていた准一だけが助かった。両足を骨折する大けがを負うが。
不運の事故で彼は天涯孤独になる。
身内が両親以外いなかった。
父親方の祖父母は他界。
母親側の祖父母は准一の父が子供の頃に離婚。
祖父に父親は引き取られ、祖母の所在は不明。
その祖父も准一が生まれる前に亡くなっている。
親戚もいない。
事故孤児となった准一は今から一年前に施設へ預けられた。
そして今日、身内が見つかったと理事長に告げられる。
行方知らずであった母方の祖母の所在が判明したのだという。
「良かったね准一君。家族が見つかって」
翔の言葉に困り顔。
「一度も会った事のないばあちゃんだぞ？嬉しいかって言われると微妙な気持ちや」
「でももう一人じゃないんだよ？」
「准一君が喜べないのはみんなの事もあるからだろ？」
智の言う通りだった。
施設で生活しているのは親のいない子がほとんどだ。
つい先ほどまで皆と同じ寂しい境遇であったのに自分だけが救われた気がして素直に喜べない。
「オイラは嬉しいぞ。准一君のばあちゃんが見つかってヤッターって思う」
「そうだよ。喜んでいいんだよ准一君」
「智君……翔……」
雅紀と目が合った。
おもむろに雅紀は和也の両腕を握るとバンザイと手を上げさせた。
雅紀も嬉しいようだ。
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ゆきんこ。(プロフ) - ずっとずっと、この作品を、むつきさんを探していました。前に1度むつきさんのお話を読んだ時にお気に入り設定をしたのですが、そのアカウントがログインできなくなってしまい(記憶力のせい)新しいアカウントを作ってから探し続けてたんです！見つけられてよかった。 (2016年9月16日 23時) (
レス) id: cf8d713ce4 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - やみぃ〜さん» コメントありがとうございます。予定より壮大になっております！頑張りますので見守っていてくださいね！ (2016年9月16日 21時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はぴともさん» お返事遅れました。そして更新も遅れましてです（汗）一波乱の臭いプンプンでご披露させて頂きます！ (2016年9月16日 21時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
やみぃ〜(プロフ) - ありがとうございます。意外と壮大な話で申し訳ないです。でも応援しています。 (2016年9月7日 23時) (レス) id: 571eda6b98 (このIDを非表示/違反報告)
はぴとも(プロフ) - むつきさん更新ありがとぉ＼(^o^)／なにやらまた一波乱ありそうですね。スッゴい楽しみです。 (2016年9月7日 22時) (レス) id: d2f048c3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2016年4月20日 21時
