番外編25話 ページ16
何とも言えない空気が応接室に残る。
が、それを変えたのは少女たちと母親たちの声。
帰らずに残っていた。
「ごめんなさいね。私たちがもう少し早くかけつけられたら皆さんを傷つけることはなかったのに」
「いいえ、来てくださって助かりました。この子たちの無実は証明されましたから」
「ケガの方は……」
「二人とも大事に至らなかったので。ご心配ありがとうございます」
安心の溜息がもれる。
「良かった。うちの子が心配していたので」
「ありがとう。えっと、まいちゃんだったかな？それとあさかちゃん」
「昨日は助けられなかったから良かった！」
とびっきりの少女たちの笑顔に廊下から覗き込んでいた子供たちの数人が顔を赤らめている。
「あのね、私たちみんなとお友達になりたいの！ダメ？」
母親と理事長を交互に見る。
「あら沢山のお友達が出来たわね」
「みんなも君たちと友達になりたいみたいだよ。良かったら遊んで行ってください」
「ママいい？」
「いいですよ」
男たちより施設にいる女子たちがまいたちに近づく。
「一緒に遊ぼう」
「うん！」
笑い声を上げて前庭に走っていく子供たち。
まいの母たちは後で迎えに来ると帰って行った。
応接室に残ったのは理事長たちと智たち。
「みんなお疲れさん。もう大丈夫。全部解決したよ」
「怖かったな。今日のおやつちょっといいやつにしてや」
生きた心地がしなかったと大きな深呼吸をする准一。
「この眼帯とってもえぇ？でか過ぎるし」
「いいよ。しかしお前たち随分大げさな出で立ちになったな」
「イノッチがしたねんで。威力が絶大やったけど」
笑いが起きる中、智が百合を呼ぶ。
不安げな顔で。
「ん？どうしたました？」
「雅ちゃん震えてる」
智の背中に顔をぴったりとつけている。
雅紀は大人の怒鳴り声が苦手であった。
かなりの恐怖であったのだろう。
心配そうに抱っこされている和也も見上げている。
「無理させたな。ごめんな雅紀」
「かずを抱っこする」
智が雅紀の腕から和也を受け取ると同時に体の力が抜けた。
慌てて抱きかかえる井ノ原。
「雅紀？」
顔を覗き込むと真っ青で冷や汗をかいていた。
極度の緊張が解けたのだろう。
ぐったりと目をつむっていた。
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ゆきんこ。(プロフ) - ずっとずっと、この作品を、むつきさんを探していました。前に1度むつきさんのお話を読んだ時にお気に入り設定をしたのですが、そのアカウントがログインできなくなってしまい(記憶力のせい)新しいアカウントを作ってから探し続けてたんです！見つけられてよかった。 (2016年9月16日 23時) (
レス) id: cf8d713ce4 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - やみぃ〜さん» コメントありがとうございます。予定より壮大になっております！頑張りますので見守っていてくださいね！ (2016年9月16日 21時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はぴともさん» お返事遅れました。そして更新も遅れましてです（汗）一波乱の臭いプンプンでご披露させて頂きます！ (2016年9月16日 21時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
やみぃ〜(プロフ) - ありがとうございます。意外と壮大な話で申し訳ないです。でも応援しています。 (2016年9月7日 23時) (レス) id: 571eda6b98 (このIDを非表示/違反報告)
はぴとも(プロフ) - むつきさん更新ありがとぉ＼(^o^)／なにやらまた一波乱ありそうですね。スッゴい楽しみです。 (2016年9月7日 22時) (レス) id: d2f048c3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2016年4月20日 21時
