36話 違和感は残りますが ページ36
本日の夕食はおにぎりと豚汁。
雅紀たちのついでに自分たちの分も同じメニューにした。
「もう食べちゃう？」
「食べちゃう〜ぅ」
「私少なめで」
夕日が落ち暗くなった室内に電気をともす。
「一味？七味？」
「一杯目は七味。二杯目は一味で」
「私一味でいい」
家族が二人いない食卓。
なんだか淋しい。
「食べながらだけど話していい？」
翔は昼間の城島との会話を二人にする。
「俺たちも違和感がある。雅兄に」
「らしくないんですよね、冷たさを感じるというか」
和也の時も翔の時も肉親との絆を繋ぐべく奔走した雅紀が智の身内に対して、
『智へ近づけない証拠が欲しい』
城島へ依頼した内容は青田家を拒否するもの。
「俺らもあの爺さんたちに会わせたくはないですけど……でも……」
雅紀らしくない。
「何度か電話で対峙したんだろう？それで会わせるべく人柄でないと判断したんじゃない」
潤の考えた通りそうなのだろうか？
「まー兄が会わせなくない、存在も知らせたくないって言うなら私も同感していますのでそのように動きたいです」
「俺も同じ考え。翔兄は？」
「同じ考えではあるのだけど頭の隅で違和感が引っかかったままなんだよな」
でもみんなと一緒に動く。
三兄弟プラス雅紀の想いは一つ。
その雅紀は太陽が沈み雲一つない空が闇の色に染まるまでのわずかな時間に夢中になっていた。
暖色から寒色への変化に心が震える
シャッターを押す指が止まらない。
雅紀の後ろ姿を智は静かに見つめていた。
陽が沈み一気に気温が下がりはじめる。
白い息が雅紀の口元から見え、智は手早く簡易テントを設置する。
大きなリュックから弁当、タオル、ひざ掛けを取り出し準備を終えて顔を上げると雅紀の姿がなかった。
場所移動してしまったらしい。
月の光が水面に映り湖の存在を強調しているので落ちることはないだろうが一応声をかける。
「まさちゃーん、戻ってこーい」
その迷子君といえば、理想のアングルを求めて自分が移動してしまったことすら無意識状態。
ファインダーを凝視しすぎて自分の足元がどこにあるのかわからずにいた。
湖の水際ギリギリ。
「ん？」
水の臭いにカメラから視線をずらす。
「げっ！」
長男さーん、三男さん湖に落ちそうでーす。
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むつき(プロフ) - tthisamiさん» 遅くなりましたが再開いたしました。 (8月29日 21時) (
レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
tthisami(プロフ) - 再開嬉しいです。 (8月29日 20時) (レス) @page50 id: dba9116941 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はるさん» なかなか更新できずに申し訳ないです。少しずつですが頑張っていきますので！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - むつきさん、更新ありがとうございます！とても嬉しいです。続きが楽しみです！ (2021年3月23日 4時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ちぇろさん» 5人が揃いました。北の地で兄弟たちの絆をお届けできたらと思います。 (2020年10月27日 0時) (レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2019年8月2日 23時
