32話 真実を知る ページ32
兄二人が外出して、それを待っていたかのように潤は雅紀たちからこれまでの経緯を知らされる。
智の祖父母の存在。
「何それ？」
話を聞いた潤の片眉がするどく上がる。
「話を聞いた感じじゃ全然愛情を感じない」
「そうなんですよ。だから余計に腹が立つ。自己中心的でさー兄への想いを感じないのよ」
末の弟たちの鼻息は荒い。
「俺が沖縄に行く前からなんだろ？なんで教えてくれなかった訳？」
そこで雅紀と和也は顔を見合わせる。
何故ってそれは……
「潤君は翔ちゃんの次に隠しごとできないじゃん」
だった。
だから雅紀と和也は計画を立てた。
いつもはのほほんとしている智は意外に周囲を見ている。
兄弟たちがどんなに隠していても見抜いてしまう。
ポーカーフェイスが得意な和也さえも見抜かれるのだから翔は本当にわかりやすい。
もし大好きな兄弟四人が隠しごとをし、自分一人仲間はずれとわかったらどうなるであろう。
全力で秘密を暴く。
がむしゃらにそれはもう。
あえて潤には知らせなかった。
潤も知らないとなれば強い追及心も弱くなる。
潤の性格から智よりも前に立ってくるのもわかっていた。
智よりも潤の追求の方が言っては悪いが秘密を守り抜ける。
だから偽りのケンカで納得させることが出来たのだ。
「潤ちゃんには悪かったけど智ちゃんが納得してそれ以上追求してこなくなってから教えようと思ったんだ」
潤は二人の計画に納得した。
自分も翔同様に隠し通せる自信はない。
「うん、わかったよ。これからは俺も協力する」
と言いつつも潤は胸の中に違和感が少しあった。
和也は智に会わせたくないほど傲慢な祖父母だと言い、会わせたくないと鼻息を荒くしている。
雅紀もそうなのだろうか？
和也の両親時は弁護士を使い強引なやり方をされたが、雅紀は和也を父親に会わせ大野でいるか二ノ宮でいるかの決断をさせた。
智の時だけ何故会わせない？
祖父母の存在を隠す？
「潤君、話聞いている？」
「ん？悪い、聞いてなかった」
「衝撃的なことだったから思考停止しちゃった？」
「そんな感じ。で、何を話していたの？」
「今我々が持っている情報源の確認よ」
話は長くなりそうだからとお代わりのコーヒーを用意する雅紀の顔を見つめてしまう潤なのであった。
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むつき(プロフ) - tthisamiさん» 遅くなりましたが再開いたしました。 (8月29日 21時) (
レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
tthisami(プロフ) - 再開嬉しいです。 (8月29日 20時) (レス) @page50 id: dba9116941 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はるさん» なかなか更新できずに申し訳ないです。少しずつですが頑張っていきますので！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - むつきさん、更新ありがとうございます！とても嬉しいです。続きが楽しみです！ (2021年3月23日 4時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ちぇろさん» 5人が揃いました。北の地で兄弟たちの絆をお届けできたらと思います。 (2020年10月27日 0時) (レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2019年8月2日 23時
