14話 安否確認OK ページ14
和也との通話はすぐに切られた。
追ってメールがくる。
『ごめんなさいね。外野がうるさくて会話が出来ないのよ』
「和ちゃん無事なんだね？」
『無事よ。連れ出されは荒かったけど今はそれなりに快適』
大体の状況を聞く。
思い込みの激しい青田老人は話を聞いてくれることもなく、ただ今携帯電話で長電話中。
「理事長が俺と間違えて翔ちゃんに連絡しちゃったよ」
『マジか〜。さー兄にこのことバレちゃうんじゃない？』
「取りあえず今は大丈夫。でも詳細は説明しないと」
『最初からしょー兄にも話しておくべきでしたかね？」
事前に今回の知っていたら兄弟思いの翔は間違いなく挙動不審になっただろう。
その態度で智に知られてしまう。
『私とりあえず青田さんの家に行きますね。他のご家族がいると思うので人違いであることを説明します』
「そうして。翔ちゃんと理事長にはこれから説明する」
『お願いします。後でしょー兄に迎えに来てもらう様に私からも連絡します。荷物の全部を施設に置いて来たのよ。無一文なの』
そろそろお家に到着するみたいだからと又後で連絡すると和也との会話が終了した。
大きく深呼吸。
首を長くして待っているだろう二人に説明をしなくては。
まずは翔からだと気合を入れなおす雅紀。
その頃和也は到着した青田家を車から見ていた。
青田呉服店。
瓦屋根の年代的な店構え。
「降りなさい」
と青田は先に降りてしまう。
「靴がないんですけどね」
和也を運んできたアツシ青年は足元を見る。
靴を履かせることなく担いできたことに今になって気がついた。
「うぉ！」
再び担降ろされる降ろされる。
市橋水道屋前の駐車場。
呉服店と向かい合っている。
「ご近所さんなのね」
「お向かいのよしみでたまに運転手をしてんだ」
「それはご苦労様ですねぇ」
建物は古いが店正面は自動ドアが設置されていた。
店内に運ばれていく。
「お帰りなさいませ」
「あぁ帰った。智を連れて来た」
「お電話でおっしゃっていましたけど……本当に？」
青田氏が車の中で話していた相手はこの老女だったのか。
と言う事はこの人は。
「お前の祖母だ」
着物を着こなしたふくよかな人。
担がれている和也を食い入るように凝視中。
「この子が智？」
孫との初対面であるのに笑顔はなかった。
まるで商品を見定めるそんな目であった。
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むつき(プロフ) - tthisamiさん» 遅くなりましたが再開いたしました。 (8月29日 21時) (
レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
tthisami(プロフ) - 再開嬉しいです。 (8月29日 20時) (レス) @page50 id: dba9116941 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はるさん» なかなか更新できずに申し訳ないです。少しずつですが頑張っていきますので！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - むつきさん、更新ありがとうございます！とても嬉しいです。続きが楽しみです！ (2021年3月23日 4時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ちぇろさん» 5人が揃いました。北の地で兄弟たちの絆をお届けできたらと思います。 (2020年10月27日 0時) (レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2019年8月2日 23時
