＊015 ページ17
＊
結局その後は潤くんに言われるまま
制服だけをさっさと着替えさせられ
松本家へ移動してだらだら過ごす。
こっちの家も両親共に忙しくしてるから
今日ももちろん潤くんお手製ご飯。
特製和風パスタと野菜たっぷりスープ。
潤くんが料理している間
あたしはと言えばダイニングで勉強する。
いや、させられてる。
テストなんてまだまだ先なのに…。
あたしはそれなりに勉強しても
だいたい真ん中より少し上が精一杯で。
潤くんは机に座ってるとこなんて見ないのに
いつだって当たり前に成績上位者。
不公平ってこーゆこと。
特にあたしの数学はひどいもんで(赤点ギリ)
この問題のどこに分かんないとこがあるんだよ
って怒りつつ呆れつつだけど
なんだかんだ分かるまで教えてくれる潤くん。
お兄ちゃんなんて通り越して
そのうち父レベルに到達しそう。
2人してテーブルについて“いただきます”。
テレビでは可愛い顔したアイドルが
仲良く騒いでる様子が小さな音で流れてる。
「んーっ！スープおいし！！
これ何種類の野菜入ってるの？」
ホントに美味しい。
コロコロと同じサイズにカットされた野菜たち。
几帳面な潤くんの性格がよく出てる。
まぁ多分あたしの嫌いなヤツも
こっそり入れられてるんだろうけど。
返事がないから顔をあげて潤くんを見上げる。
あ…
またあの凄まじい眼力。
ま、眩しいんだけど…。
冷たい視線ではないっていうか
むしろ熱い眼差しだけども。
熱量ありすぎてコッチが溶けそう。
もう既に嫌な予感。
「…なに？」
「アレダレ。」
「へ？」
アレダレ？
どっかの国の呪文みたいな一言。
もしくはどっかの首相の名前的な？
「今日の男。あれ誰？」
あ…その話蒸し返す？蒸し返しちゃう？
もう忘れてくれていいのにって
あたしの切なる願いもむなしく
潤くんの鋭い眼光に再び捕まった。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉(о´∀`о)単純な作者なので、きっと今日明日にはまた何話かUP出来ると思います（笑）最後まで是非お付き合いください(^^) (2019年11月8日 10時) (
レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 実はこういったお話が凄く好きで不器用だけど真っ直ぐな皆とか何か確執みたいなものを抱えているとか…でこぼこさんの作品をもっと読みたいと思いました！ (2019年11月6日 10時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» コメントありがとうございます(*^^*)あやふやな関係やふわふわした感情に翻弄され気味の主人公が、嫌われたら可哀想だなと思っていたので、愛おしいと言って貰えたことがとっても嬉しい！櫻宮さんの言葉を励みに、また書き進めていきますね(´∀｀*) (2019年11月5日 16時) (レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 皆不器用だけど真っ直ぐで…そんなあやふやな位置関係にいる主人公が健気で愛おしくて好きです。早く次が読みたい！ (2019年11月5日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：でこぼこ | 作成日時：2018年11月29日 14時
