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＊
「ん？何言ってんの？当たり前でしょ。
んだってまーくんはAにとって
変わらない憧れの存在なんだから。
ほら、永遠のヒーローみたいなもんよ。」
そうだ。
分からないことは何でも聞いて
カズはいつだって答えをくれた。
「いいじゃん？別に。それはそれで。
幼馴染と恋人のポジションは
貰っちゃったからね。俺が。
んだからヒーローの座ぐらいはね？
しょーがないから譲りますよ。まーくんに。」
カズの言葉は
迷いなく心の真ん中に落ちた。
幼馴染じゃなくても
恋人じゃなくても
特別な人が居たっていいじゃない。
片隅に落ちてた最後のピースが
ぱちんとパズルにはまるような
薄荷キャンディーみたいなこの気持ち。
そっか。そーなんだ。
カズの言葉に
花マルをあげたいぐらい。
記憶の中にいる
9歳の私がようやく笑う。
うん。
9歳のまーくんは
私にとって永遠のHERO。
そーゆうことだ。
うまく言葉にできそうになくて
触れそうで触れなかったカズの手を
自分からぎゅっと握りしめた。
大丈夫。
きっと伝わるはず。
撫でるように握り返される
少し冷たい手を感じながらカズと2人
黒に染まる空の向こうを見上げた。
ありがとう。まーくん。
きっとまた会える。
今度誰かに聞かれたら
彼は私のヒーローですって
胸を張ってそう答えよう。
…それから。
普段は憎まれ口ばっかり叩く
私のもう一人のヒーローが
やっぱりこんな時だけ優しくて
また少し泣きそうになるけど。
いつもどんな時でも
変わらず隣に居てくれるヒーローに
16年分のありがとうを込めて。
「好きだよ。カズ。」
そう口にしたら
あのお気に入りの下がり眉で
可笑しそうに肩を揺らしながら
優しいキスが降ってきた。
Fin.
＊でこぼこ＊
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でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» わー、ありがとうございます(*´-`)主人公の不器用さを愛しく思って描きましたが、この子を可愛いと言って貰えて嬉しいです！ (2020年4月11日 12時) (
レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 素直になれない主人公ちゃんがとてつもなく可愛い！不器用なにのちゃんも素直すぎるまーくんも皆皆好き！！[月嘘]も好きだけどこっちも好きだなぁと思いました。ありがとうございます！ (2020年4月4日 16時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2017年11月5日 17時
