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自転車で山道を25分。
高校は隣町にしかないから
自然と行動範囲が広がって
交友関係も変わっていった。
入学してしばらくすると
急にカズがモテるようになって。
だけど不思議なことに
カズはあまりにも相手にしないし
ついでに私との噂も流れて
いつの間にかブームは終息を迎えたみたい。
私は私で告白なんてものを貰って。
3年生だというその人は
当然顔も名前も知らなくて。
知りもしない人に好きと言われても
どこが？なんで？としか思えない。
なんだか可笑しくなって
帰り道カズに言ったら
「バカだね、Aは。」
とてつもなく優しく笑った。
まーくんのくしゃくしゃ笑顔もだけど
カズの下がり眉になるこの笑い方は
ちっちゃい時と全然変わらなくて。
本人には絶対言ってあげないけど
実はすごく好きなやつで。
その目で私を見てくれることが
なんだか安定剤のように不動のものだった。
さすがに昔みたいに毎日一緒には帰れなくて
友達に誘われるまま買い物に行ったり
学校からかなり離れた所でご飯を食べたり
一回だけやかましいカラオケにも行った。
新鮮な時間は
それはそれで楽しかったけど
遅くなると25分の山道は真っ暗闇で。
心配性なお母さんの派遣なのか
本人の意思なのか分からないけど
文句を言いながらも結局
いつもカズが迎えに来てくれて。
そうなると
お年頃ってやつのわたしたち。
一緒にいる友達には
過保護な彼氏って冷やかされるし
カズにも一応悪いなって思うしで
寄り道は少しずつ減っていって
またカズと帰る日々が戻ってきた。
新しい生活に
少しずつ慣れてくように
テレビの中にいるまーくんにも
私は少しずつ慣れていく。
あ、まーくんだよっ
と無邪気に叫べはしないけど。
「昨日、出てたね？」
「あー、俺も見たよ。
かっこよかったわ、相変わらず。」
そんな会話をカズと出来るぐらいには。
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でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» わー、ありがとうございます(*´-`)主人公の不器用さを愛しく思って描きましたが、この子を可愛いと言って貰えて嬉しいです！ (2020年4月11日 12時) (
レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 素直になれない主人公ちゃんがとてつもなく可愛い！不器用なにのちゃんも素直すぎるまーくんも皆皆好き！！[月嘘]も好きだけどこっちも好きだなぁと思いました。ありがとうございます！ (2020年4月4日 16時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2017年11月5日 17時
