【LAST STAND − O.S 】4 ページ44
＊
持ち込まれた荷物は
せいぜい二泊三日程度のもんで。
だから滞在が3週間を超えたときには
さすがにちと驚いたけど。
どうせ出てくのは変わらねぇんだろ？
ノラ猫のがまだ居つく。
「今回、なんか冷たくない？
急に来たから怒ってるの？」
んなことで今更怒るかよ、ばか。
急に居なくなる方が
よっぽど堪えんだよ。
いい加減分かれよな。
なんて言ったら負けだから。
オレはぜってぇ言わねぇんだ。
あれだろ。
いつも通り男に捨てられて
仕方なしに戻ってきたんだろ？
ふらふらしやがって。
んだから振られんだ。
せいぜい体幹から鍛えろってんだ、ばぁか。
どーせ言ったって
聞きゃしねぇんだから。
口挟むのも面倒なんだよ。
俺なんか、あれだ。
トランジットのターミナルか
んな程度のもんだと思ってんだろ？
んだから
好きにすりゃいーじゃん。
気の済むまでココで充電して
また飛びたきゃいつでも飛べよ。
自由に世界を謳歌して
愛でも探してろっつーんだ。
どうせ見つかんねぇんだから。
Aみてぇなタチのわりぃ女
そうそう幸せになんてなれねぇだろ。
3週間と3日前に逆戻りした
空っぽの部屋を見つめながら
手元のお酒を流し込む。
カァっと熱くなる喉は
まだまだ俺が生きてる証。
まぁ、アレだな。
根くらべってやつ。
傷付いて泣き喚いて
死にたくなるほど弱ったら
さっさと帰ってくればいい。
こー見えて俺は意外と
負けず嫌いなんだっつぅこと。
体に叩き込んでやっから覚悟しとけよ。
最後の砦は誰にもやんねぇ。
fin.
＊
【手のひらに魔法を乗せて - S.S 】1→←【LAST STAND − O.S 】3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：でこぼこ | 作成日時：2017年3月5日 1時
